2014年5月5日月曜日

サウダージ「Saudade」



誰の心の中にもある郷愁・憧憬・切なさ。。。。
単なる故郷へのノスタルジーではなく、
今の自分を育ててくれた家庭・家族・友達、
身の回りにあった風景・街・人。。それらを思う気持ち
長崎というある意味特別な街。

(西坂の丘にある二十六聖人殉教の碑)


















ポルトガル語で言うところの「Saudade」
自分の生き方や設計する住宅を含めた建築の根源にあるもの
それがSaudadeなのだと思う。
何故それほどにも。。と思うほど、思春期までを過ごしたこの街の
美しいものも朽ちたものもこれほど記憶しているのだろう。

 (稲佐国際外人墓地 通称阿茶墓)














(外海の出津教会)


















(東山手 母校と石畳一つ隔てた隣の活水女学院・木造洋館)


















ポルトガルを一人訪ね、彷徨い歩いた時
その気持ちは頂点に達した。。
この街の風景がこれほどまでに、
心の中に仕舞い込んでいた敏感な年頃の記憶と
どこもかしこも一致するのだろうと。

(リスボンのケーブルカーと路面電車)




























 (ポルトの街並み)




























たった一度だけ訪れただけの国、ポルトガル。
なのにどうしてこんなに「Saudade」を感じるのだろう。
自分がどこに居るのかわからなくなってしまう。

故郷の街の美しく仕上られた壁の色よりも、
朽ち果て汚れた壁や石垣に愛着を感じ、
穏やかな陽射しの中、苔むした石垣の隙間に潜む遠い過去の匂いや
枯れたツタの蔓を指でなぞり、アマカワのぼろぼろと崩れる様を眺めながら、
乾いた空気に乗って流れてくる天主堂の鐘を聞いていた。

とても愛おしい記憶であり、懐かしい匂い。
それら一つ一つをこれからの時間、拾い集めてみたい。
きっとこの先の道標として、新しく考える住まいの
助けになってくれるに違いない。

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