スタジオクランツォが設計する建物の竣工写真、
今はある一人の建築写真家にお願いしております。
「4X5」のデライトフィルムやタングステンフィルムで撮影していた時代は
グラフィック系の写真家や若手の才能ある写真家、
企業写真事務所など、何人かにお願いしておりました。
世の中がデジタル時代に移り変わり、
カメラもほとんどが撮影後の処理が簡単に出来るデジタルカメラになり
撮影時の写真家の勘や微妙なテクニック、経験値による写真の出来栄えが
それほど変わらなくなったような気がします。
それでも設計者の意図を汲み取り、
それを表現する力はやはり長く付き合った写真家との
「あうんの呼吸」があればこそ、私のデザインした建物は
私らしくあるのだと思います。
建築写真はある意味、そこに存在している本当の建物とは
どこか違うかもしれません。
それは「まだ色がついていない」からです。
建物は設計・施工者から施主に引き渡された瞬間から
施主の色に少しずつ変化していきます。
それもまた楽しい事だと思います。
できることなら、デザインしたそれぞれの建物、
同じ建築写真家の手で、10年刻みぐらいで定点写真にしてみたいですね。
建物が施主によってどのように変化し、写真家はそれをどのように表現するのか
とてもワクワクします。
「抱きしめられる家」 2013年・9月 竣工
撮影 清水向山建築写真事務所
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