2013年6月26日水曜日

ド・ロ壁



いつかどこかでやってみたい建築の仕上げがあります。
それは「ド・ロ壁」

以前書いたブログ「長崎のいくつかの事2」の中で紹介した
フランス人宣教師 マルコ マリ ド ロ(ド・ロ神父)が明治時代、
長崎 外海町近郊で手がけた教会などに使われている壁の仕上げ方です。

ド・ロ壁はもともと長崎で使われていた「天川アマカワ」に、この外海で産出する
玄武岩を水平に割ったもの積み上げ充填材に赤土を加えたものです。
天川とは古い言葉で「マカオ」のことだそうです。
江戸時代、長崎には遠くマカオから漆喰(石灰)が運ばれていました。
その運ぶ船にも水漏れをしないよう漆喰が充填されていたそうです。
長崎ではこの石灰を使って屋根や壁の補修、補強などが行なわれていました。
それで漆喰の事をそのまま、マカオ(アマカワ)と呼んでいたそうです。
今でも町名に石灰町(シックイマチ)、本石灰町(モトシックイマチ)などの
町名が残っていて、もともとは貿易のため唐人が多く住む町でした。

最近はわかりませんが、僕が小さい頃は積み上げられた石塀にこの
アマカワがたくさん使われていたようで、苔むした塀に寄りかかると
石と石の間にこの漆喰が詰められていて、それを掻き出したりして
遊んでました。

建築の仕事を始めるようになって、石を使うデザインは僕がよく使う手法で、
チャンスがあれば出来るだけ使いたいと思っていますが、
単なる大理石や御影石の薄板を壁に貼り付けるのではなく、
石を積み上げた壁を作りたいのです。
今まで色々な仕上げをお客様と一緒に作ってきました。
「版築」・「蛇籠」・「抗火石」・等々。。。。。
それぞれ、存在感があり味のある建物が出来たと自負しております。


でも、どなたか一緒にこのド・ロ壁を住まいの仕上げに使ってもいいよと
仰って下さる方はいらっしゃいませんか?きっと存在感のある素晴らしい
仕上げになると思うのですが。。。

これからお住まいを計画されている皆様、どうぞご検討を。。 


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