週末の夜、お客様に食事をしながらお話しませんかと
ご自宅へお誘いを受けた。
昼過ぎから降り始めた雨は、お客様宅へ到着する頃には本降りになった。
いつも伺っている時間は昼間が多い。庭の大きな木々は適度の日陰を作り、
そこにはお子様のおもちゃなどが置いてあったりして、
木陰で気持ちよく遊べる場所を作ってる。
今夜は雨に濡れ、しっとりとした庭木が庭園灯に照らされ、
深い緑のグラディエーションが重なり合い、どこまでも続く森のように思える。
縁側の戸が開け放たれているため、湿度のある空気がリビング内に忍び寄る。
けれど庭の手水鉢に落ちる雨だれの音は、いつもの緊張感を解きほぐすように
優しく語りかけてくる。美味しい食事を頂きながらしばし歓談した後、プレゼンを
することになった。
今回は台湾中部にある「The Lalu Sun Moon Lake」というリゾートホテルの
お話をしようと資料を用意していた。
プレゼン資料を目にされた瞬間、奥様と顔を見合わせ思わず笑顔になられた。
実は、このホテルがある日月潭へお二人で行ったことあるということだった。
それもこのホテルが出来る以前に、この地に数ヶ月滞在したそうだ。
水と住まいをテーマにした空間を作ろうということで、
ひと月に1度くらいの割合でご夫妻とお話し合いを重ねているが、
今回は水と空間のイメージボードを僕が用意することになっていた。
奇しくも思い出の地の写真を知らずに用意してしまったわけだ。
ホテルHP他より転写
この建物はオーストラリア出身の建築家「ケリー・ヒル」氏による設計だが
僕自身も彼の作品が好きで、アジアのあちこちに点在する彼設計の
ホテルに宿泊して、そのデザインの美しさを堪能している。
もともとは私がデザインした「P-H」の建物をご覧になり、
会って話を聞きたいということでお付き合いが始まったのだが、
ご夫妻のお住まいの設計をスタートするまでには、もう少しお時間を頂いて
杯を重ねる必要があるかもしれない。
「P-H」

来月ファーストプレゼン予定の「Tさんご夫妻」もBW-HとP-Hの雰囲気が
気に入られてお話を頂いた。
実を言うと名古屋のOさん、新宮のMさんもこの作品群が気に入られて
設計依頼をされました。
この建物がある南の方向にはホント足を向けて寝れないですね。
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