2013年4月20日土曜日

実施設計図



スタジオではいくつかのプロジェクトが平行して進んでいるのですが
自然環境の影響を強く受けやすい和歌山県新宮市の「碇を下ろしたフロートハウス」と
「ゆらぎの情景」の2邸は詳細な検討事項がたくさんあります。

特に「ゆらぎの情景」は新宮市でも太平洋を望む高台にあるので、
台風時の雨風や夏の強い日差しをまともに受けてしまいます。














水盤や芝生の中庭を囲うように床レベルが1段下がった「歩廊」を作ってあります。
この歩廊は日常は大開口部でリビングダイニングなどと一体化して、
風の通り道となるのですが、夏、冬、温暖の差が激しい時は外部と内部の緩衝地となり、
ヒトが生活する上での急激な温度変化などを和らげ「ストレスレス」の役割をします。














庇を長めに設定しているので中庭の部分は狭く見えるかもしれませんが
都会で作るコートハウスの中庭レベルよりはるかに広いです。

リビングダイニングキッチンなどの主要な生活空間は平屋になるのですが、
単純に大屋根を載せるのではなく、軒が何層にも重なって陰影や美しいディテールを
描くようにデザインしています。
ただしここは台風銀座、雨は上からではなく下から降ってくると言われるくらい
環境の厳しい地域です。

現在、実施設計の佳境ですが、この雨、風に対する防護策をどうしたらよいのか
詳細な納まりを検討しながら図面を描いていますがこれが結構大変です。


暴風雨の凄さは私も九州生まれで、ある程度理解しているつもりですが、
ここはそれ以上!過去に何度か低気圧が熊野灘を通るたび、
特急「くろしお」があまりの風雨の激しさに途中駅で運休という災難にも何度か遭遇してます。


















敷地内にある大きなフェニックス。
この樹木と太平洋を望むことがこの土地を購入されたきっかけとか。
どこか南の島のリゾートにありそうな素敵な住まいが出来そうです。

あともう少しですが、気合を入れて今日も作図作業です。


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