2012年12月9日日曜日

幸せの色






















この時期になるとあちらこちらからクリスマスソングが流れ、
不思議な事に行きかう人々はなんとなく幸せそうに見てくる。














ビング・クロスビーの甘い歌声で「ホワイトクリスマス」とか
聴いてしまうと幼い頃のことをすぐに思い出す。
それは毎年繰り返し思い出す、少年の僕にとって幸せだったと思うシーン。
クリスマスソングってどうしてこんなにも人を幸せな気分にしてくれるのでしょうか。














そして僕には幸せというか、心が「ほんわか」する色があります。
その色を見つけると10歳頃のいくつかのシーンが浮かんできます。

言葉で表現できない色なんだけど似ている色はないかと探してみた。
けれどなかなかぴったりの色は見つけられない。


僕は小さい頃長崎に住んでました。
当時長崎には「浜屋」と「岡政」という2つの百貨店がありました。

もうどちらの百貨店かは忘れてしまったけれど、
クリスマスが近づく頃の休日、家族で百貨店に買い物によく出かけました。
百貨店の地下にはお菓子売場があるのですが、
この時ばかりは好きなだけキャンディーやチョコを買ってもよくて
白地に濃いグリーンの模様が入った紙袋一杯にお菓子を詰め込みました。
その売場の風景は鮮明に覚えてます。
よほど嬉しかったのでしょうね。














お菓子を買った後、母は必ず1階の毛糸売場に立ち寄って
僕や妹のセーターを編むための毛糸を買ってました。














写真のような黄色ではなかったけれど、毛糸売場にあった
少しグリーンががった黄色の毛糸が、とてもおしゃれで欧米のような
外国の色に見えて目に焼きついていてしまった。

お菓子をたくさん買ってもらった嬉しさと毛糸の色が重なって
僕にはとても温かな幸せな色として記憶されてしまいました。
だからか、若い頃何度かその黄色に近い色のセーターを
見つけると幸せな気分になりたくて買った。


数日前、そんな事を思い出し、阪神百貨店のキャンディ売場で
大の大人いや、おじさんは少年になったつもりで籠一杯にお菓子を買ってしまった。
孫にあげるためと店員さんは思ったのだろうね、手際よく袋に入れてくれたけど、
本当はね、あの頃の幸せな気分をもう一度味わってみたかったんだ。

それから阪神や大丸の手芸コーナーへ行って黄色のあの頃の毛糸はないか
探してみたけど、最近はあんまりニットって編まないのかな、品数が少なかった。
阪急の手芸売場でやっと近い色を見つけて思わず買ってしまった。
また変なおじさんと思われたかも知れないけれど、事務所に戻って手にとり
やさしく毛糸に頬ずりをしてみた。

あの頃の気持ちが蘇り、すべての人に穏やかで優しい気持ちになれそうな気がした。


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