2012年12月30日日曜日

ナギの木



今日は晦日。そして明日は大晦日。
アトリエは年末年始の休暇に入ったので誰もいません。
電話も掛かりません。

静かです。こんな時は集中して色々アイデアを考えたり
スケッチをしたり、模型やCGを作ったりと結構忙しい。

今年の年始に天満宮でおみくじを引きました。
第十一番の大吉でした。
その中に (商業)遠方の取引が多い とありました。
まさにその通りで西は兵庫県たつの市、和歌山県新宮市、
東は名古屋市、東京と大阪市内での仕事より、他府県からの
依頼が多い年でもありました。

最も印象深かったのは新宮市です。
現在新宮市では来年着工予定で
2軒の住宅設計を手がけてます。
そのため、打合せ等訪れる機会の多い街で、
ブログにもよく登場します。

新宮には熊野速玉大社があります。














ここに平重盛(清盛の嫡男)が平安末期に植えたとされる
ナギの大樹があります。
熊野権現のご神木で魔除けとして熊野詣の帰りの道中を
守護してくれるものと信じられていました。


















新宮の街にはこのナギが街路樹として植えられています。


















このナギ、マキ科の針葉樹なのですが、
広葉樹のように葉に幅があります。
ちょっと変った葉で、縦に平行脈がたくさん走り
主脈がありません。














普通葉脈は横に広がっているため簡単に裂くことが
出来るのですが、なぎはなかなかちぎること出来ません。
昔はその丈夫さにあやかって、男女の縁が切れないようにと
女性が葉を鏡の裏に入れる習慣があったそうです。
「絆」の象徴として使われたのかも知れません。

50年ほど前、長崎で父が家を新築しました。
その時に、門の横の主木にこの「ナギ」を植えたのです。
その頃は、ちょっと変った木だなあと思うくらいでしたが
長崎を離れた後、帰省する度にまっすぐ伸びていくこの木と
オリーブの葉のようなカタチがとても好きになりましが、
両親が亡くなってしまうと、長崎にも帰る機会が減り
次第にこの木のことも忘れていきました。

今年、新宮通うようになり、熊野速玉神社を訪れ
ナギの大樹をみて昔の事を思い出すようになりました。

父が家族の絆や家内安全を願って、当時この木を植えたことに
気がついたのです。
それから妙にこの木が愛おしくなりました。

熊野に来るようになったのも60歳を迎える僕に、
家族や周りの方々との絆やご縁を大事にするように
伝えたかったのかも知れません。

ご縁と言えば昨日、設計打合せのため京都からお越しになられた
「Nさん」の奥様、現在芦屋で設計中の「眺めのいい家」の奥様と
仲良し女性のお姉様であることが、偶然わかりびっくりです。

皆さん「えっーっ!」となってしまいました。
まったく別のルートで私と知り合い、住まいを計画することに。。

私の周りに起こる「不思議な縁」がまた一つ増えることに。

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