2012年10月24日水曜日

欧州の香り



少し秋らしくなって来ましたね。
今日、授業中目の前にある緑地公園を眺めていたら
公園の樹木も少しずつ色づき始めたように感じました。

昨日、建物の竣工写真をお願いしているSさんが
「海に背を向ける家」の竣工写真CDを持参してくださいました。

この住まいは2年前の8月に設計が始まり、
その年の12月に既存の建物を解体し、工事がスタートしました。
混構造3階建ということもあり、解体した後に地盤調査を行い、
少し時間をかけて実施設計を完了させました。
工事期間も少し長めでしたが、隣接して長く住まれている
住宅がありましたので、ご家族に負担をあまりかけないで
施工することが出来ました。

周囲からあまり飛出しないで景観のバランスを取ることと
「神戸の山の手だからといって何が何でも港が見える住まいに
しなくてもいいですよ」という奥様のお言葉に後押しされて
ダイナミックな内部空間を楽しむ住まいを提案しました。














外装は外張り断熱で包み表情を出すために
断熱効果の高い「伊豆新島産の抗火石」を地上階と
2階3階の一部に使ってあります。


















竣工写真なので設えはまったくしておりません。
美しい大理石、無垢のオーク材、ウォールナット材、
そして英国Farrow&Ball社の自然塗料で壁、天井など
内部空間のほとんどを仕上ました。


















内部に光を導き入れるためにあらゆる場所に
採光用スリットを作ってあります。




































お手持ちの家具などに合わせるため
ロートアイアンの手摺り、シルクのカーテンなど
内部は少しクラッシックな仕上げにしてあります。
でも新しく購入された家具はカッシーナ社の
「マラルンガ」や「キャブチェア」などをお奨めしました。
伝統的な家具とモダンな家具を組み合わせた
どこか「ミラノ」辺りにあるようなお住まいにしたかったのです。




































ロートアイアンを使うお住まいを設計するのは
本当に久しぶりでしたが、色々な出会いや繋がりもあり
楽しい仕事でした。
すべての仕事が終わった訳ではありませんが、
「Mさん」素晴らしい出会いを有難うございます。
またこれからも宜しくお願い致します。

「海に背を向ける家」から、芦屋の「眺めを楽しむ家」へ
そして東京の大規模リノベーションへと流れは続いています。

0 件のコメント:

コメントを投稿