2012年9月29日土曜日

シルエット



朝、事務所に来てみたら太陽の光が
プレゼンブースの中まで侵入していた。


















日中はまだ汗ばむのに、季節は気まぐれな気候と
関係なく時を確実に刻んでいる。
白い大理石の床をピュアホワイトに陽が染め上げると、
もう秋なんだと実感する。
そしてこの陽だまりはいつも気持ちを穏やかにしてくれる。

空間に落ちる光や影は僕にとって住まいの豊かさを象徴する
大事な要素の一つだ。

昨年の丁度今頃、新しく始まる集合住宅プロジェクトの
コンセプト作りに没頭していた。
その時、計画地にビルの間から数十分だけ侵入してくる
西からの光を象徴的に扱いたいと思っていた。


















その光、いや光が作るシルエットをいかに内部空間に
表現しようかと考えていた。

アトリエには1本だけナナミノ木を植えている。
陽が西に傾くと光は建物の壁に美しいシルエットを描き出す。


















光が作るシルエットを内部空間の奥まで貫入させることで
ストレスを抱え精神的な余裕さえも忘れがちな都市生活者に
日常の中の「小さな豊かさ」に気付いてもらいたいと思った。














          CG制作 STUDIO CURANZIO

あえて西日を空間の中へ導き入れる事を考えた集合住宅。
孟宗竹とその竹の葉をイメージしてデザインした
溶融亜鉛メッキリン酸処理パネルがどんな表情を
描き出してくれるのか楽しみだ。

来年3月大阪市北区松が枝町に姿を現します。

またこれから設計がスタートする個人住宅では
上質の光と陰影を得るため、空間の配置と
光を絞り込む。
どうしたら。。。と考える時間を持てること、
それが僕の一番の幸せな時間。。。

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