日曜日、和歌山県新宮市で計画を温めていた住まい「錨を下ろしたフロートハウス」の
概算見積提出立会いのため「ASJ紀伊田辺スタジオ」を訪れた。
施主の「Mさんご夫妻」も新宮市から田辺市までお越しいただいた。
自分達の考えている予算と見積がかけ離れていないか心配だったようですが
なんとか近い数字がスタジオより掲示され、まずはホッとしたところでした。
3月始めのファーストプレゼンもドキドキだったそうですが、
今回は予算に絡む話だったので余計にハラハラ、ドキドキだったそうです。
何とか提案したプランが新宮の街に建ちそうです。
施主も施工者も私達もこのプランを是非建てたいと願っていたので
私もちょっと嬉しくなってしまいました。
新宮までは大阪から特急電車で4時間程かかりますが、
あまり時間の長さを感じません。
何故なんだろうといつも不思議に思っていたのですが、
名古屋の「抱きしめられる家」もこの「錨を下ろしたフロートハウス」も
電車に乗っている間ずっとその建物の事を考えているんですよね。
だから、時間の長さをあまり感じない。
たつの市の「記憶の家」や岡山県瀬戸内市の「櫻山居」でもそうでした。
心底、建築が好きなんでしょうね。
敷地に3mほどの足場を組みそこへ登って浮島や神倉山が2階リビングから
どのように見えるのか検証しないといけません。
山の美しい部分だけを切り取って室内に取り込みたい。。。。
1階の平面計画。東、南方向からの光が玄関ホール、階段廻りで
悪戯に遊びまわるはずです。
2階プラン。右奥はご主人の隠れ場所!?になるAVスペース。
L字型にリビングダイニングがレイアウトされキッチンで作業しながら
神倉の山々を望むことが出来ます。
打合せが終わり、帰りの電車の時間まで余裕があったので
田辺の街を少し歩いてみようと思い、どうしても行ってみたかったところ
「南方熊楠顕彰館」へ向かいました。
この建物は2003年公開コンペによりインテグレート・デザイン・アソシエーツ+
堀アーキテクツが設計を担当し2005年7月に完成している。
外壁は溶融亜鉛メッキリン酸処理したものを横張りにしてあります。
ガラスフレームの内側に木組みの格子を使ってあり、
内部に入ると日本的な空間美がどこと無く漂っています。
当時、熊楠が生活していた住まい。
この辺りは田辺市の中でも比較的裕福な方達が当時から住まれてて
いたのではないでしょうか。街並みが落ち着いていて敷地も広く
家の作りも立派です。
家の中から熊楠さんがひょこり顔を出しそうな佇まい。
新旧の建物が絶妙なコントラストを作っていますが
この風景がとても新鮮です。
この風情のある街並みを歩いて行くと 海へ出ました。
扇が浜という海水浴場もある、田辺市民憩いの場所。
田辺湾の対岸には白浜の旅館街が霞んでいます。
「春の海ひねもすのたりのたりかな」と与謝蕪村を思う
のどかで、どことなく幸せな風景です。
ゆったりと心を落ち着かせる素敵な時間を過ごす事が出来ました。
「Mさん」完成までは1年半程ありますが、いろんな事話ながら
納得のいく家づくりしましょうね!
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