2012年2月20日月曜日

奈良線沿線




今月は京都を尋ねる機会が多い。
京都といっても市内ではなくJR奈良線沿線。

数年前、建築家展で沿線の玉水駅近くに来て以来だが、
先週は山城多賀駅近くへ出かけた。
ある住宅の設計コンペで現地調査に伺ったのだが、
周辺はまだ、厨子2階の瓦屋根の建物がたくさん残っている。

写真は奇妙な枝を残した庭木。何の木だろうと思っていたが
たまたまこの家の主らしき方が庭におられたので聞いてみたら
「えの木」という名前だそうだ。
秋に黄葉する落葉樹で、江戸時代には一里塚の目印しに
よく植えられたらしい。
この前の道がその当時からの道かどうかはわからないが
この集落は相当古くから存在した村らしい。
設計コンペの依頼主の御宅も先祖を辿ると江戸時代中期くらいまでは
わかるらしい。

集落の山間に足を向けると、そこには奈良時代から守られてきた神社があった。
急な階段を息を切らせながら上がると美しい社が見えてきた。
朝方、社には穏やかな日の光が差し、垂れ幕に美しいシルエットを作っていた。

それから山城多賀駅から京都駅に戻る際、城陽駅辺りで、車窓から神社の森の下草に
美しい木漏れ日がいくつも出来ている風景を見つけた。
あまりに美しいので、チャンスがあったら必ず見に来ようと思っていた。

数日後、宇治市のASJ京都南スタジオから電話があった。
2月最初の週末、京都駅近くで建築家展があり、そこに参加していたのだが
その中の城陽市在住のご夫婦が住まいの事で相談したいという連絡があり、
急きょ昨日お伺いすることとなった。

お伺いしたお宅の傍にはこんな巨木が。。。
20m以上あるだろうか、枝葉は頭頂部にしかないが何か惹かれるものがある。

近寄ってみるとその木肌はねじれながら上へ上へと伸びている。
樹木は特に高木は太陽の光を追いかけ、また真っ直ぐに成長するために
自分自身が倒れないようねじれながら大きくなっていくそうだ。
なかなか面白い木だ。名前がわからないけれど。。。。

それから、お話を聞きに伺ったお住まいのすぐ近くに、
先週是非尋ねてみたいと思っていた木漏れ日の神社があった。
何かこの場所に導かれたのだろうか。
森へ入ったときは曇っていたが、奥へ進むと突然陽が差し込み
美しい木漏れ日を作ってくれた。


凛とした冷気が身体全身に浸み込んでいく。
誰一人としていない社だが、不思議と身を守られているような安心感に包まれた。

ご夫婦とも大学で考古学を研究されている先生と伺ったが、
私の作品の中で一番気に入られたのが岡山県瀬戸内市の「櫻山居」だそうだ。
「櫻山居」の敷地に隣接して古墳があるんです。玄関横に。。。。
建物外観の写真を見て、何か考古学的な気配を感じられたのでしょうか?

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