2012年1月9日月曜日

El Bulli(エル・ブリ)




新年最初の土曜日、
一番目のお客様との打合せは「記憶の家」のYさん。

来週、確認検査機関の中間検査があるのだが
その後一気に工事が進むことになるため
仕上げなどの打合せを早めにしておこうと事務所にお越しいただいた。

到着された時はぐっすりおやすみだったお子様の「マー君」
途中で目が覚めてしまったが、前回(12月)会った時はまだはっきりした言葉を
しゃべれなかったのに今日はいきなり普通の単語がポンポン飛び出して
もうびっくり!子供はある日、突然視界が開けるように急に「ヒト」らしくなったりする。
ご両親にはわかる言葉も僕には何を言ってるのか解らず
モヤモヤしていたが、やっと僕にも会話の仲間に入れそうです。

夕方、年末年始まったく休まず仕事をしていたので今日はちょっと
リフレッシュするぞと、見たかった映画と誘われていた食事を楽しんだ。

いっぺんにブログには書けないので、まず映画から。。。

映画は梅田スカイビルにある「梅田ガーデンシネマ」という世界の佳作を
よく上映している小さな映画館でタイトルは、「エル・ブリの秘密 
世界一予約のとれないレストラン」というスペイン バルセロナ郊外
コスタ・ブラバにある「エル・ブリ」を舞台にしたドキュメンタリータッチのもの。

2011年7月惜しまれながられレストランとしては閉店したが
2年後に料理研究財団として新たに生まれ変わる。

総シェフであり共同経営者であるフェラン・アンドリアの独創的な料理を
楽しむレストランとして、世界中から年間200万件の予約希望者が殺到。
しかし食事をゲットできるのは一日50人で年間延8000人のみ。

一年のうち4月から10月まで営業し、残りの半年は新しいメニュー開発のために
休業するという、料理人としてはある意味理想的な環境かもしれない。

料理はコース仕立てでその皿の数は35~40種類になるという。
写真はその一部。


もともと料理と建築はある部分でとても類似しているところがあるというのが
僕の持論ですが、この映画を見て確信を得ました。
試作担当の主任シェフたちが、シーズン閉店後、料理機材をバルセロナにある
研究用アトリエに持ち込み、素材そのものの可能性を日々研究開発する姿は
建築と合い通じる部分だと思う。
その研究開発している過程や結果をすべて記録し、写真に収めファイリングしていく。
料理を作るというよりも、理科室で実験をしているようなものなのだが
一つ一つのアイデアがそれぞれのパーツを構成する重要なファクターとなり
最終的には複合されて完成された一皿を生み出す。
凄いのはそれが35皿以上もあり、営業中にもどんどん進化していく。



そんな料理作りに批判も数多くあるようだが、支持する料理人も数多くいる。



建築も空間を考える上で、その場所にしか存在しない建物を作ろうとすると

あらゆる素材の検討が必要になるし、その材料がその場所、建物、そこを使う人たちに

マッチングしているのか調査、実験を積み重ねる必要がある。


同じ材料を使い続けて具体的な結果を得るという方法もあると思うが

その場所に一番ふさわしいモノ、素材は何なのか?

真摯に向き合いあらゆる可能性を検討しながら結果を導き出すこと。

この映画を見てより一層精進することを再認識させられた。


写真はすべて映画パンフレットより撮影。

1月20日まで上映中です。


映画を見終わったあと、日夜自分の料理とは何かを

追い求めている西天満「松弥」の中井さんのところへ伺った。

その内容は後ほど。。。。。

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