2012年1月23日月曜日

新宮へ向かう!





昨日の日曜日、昨年11月からお約束していた和歌山県新宮市の
「Mさんご夫妻」にお会いするため、朝一番の「オーシャンアロー号」に乗り
新宮へ出かけました。

新宮駅までは新大阪から片道4時間ちょっと。
遠いといえば遠いですが、途中ずっと海岸線を電車は走るし、
眺望のよいところでは電車はわざわざスピードを落とし、
車掌が風景の解説までしてくれるので、あまり苦になる時間ではありません。
むしろ楽しいですね。

終着駅の新宮に着くと、このプロジェクトのコーディネーターをしていただいてる
「ASJ紀伊田辺スタジオ」の中岡マネージャーが迎えに来てくださってました。
クライアントは名古屋の「Oさん」を抜いて一番若いご夫婦です。
でも嬉しいですね、そんな若い方が親子ほど離れた僕に自分たちの住まいの計画を
託してくださるのは。。。じっくりと時間をかけて気に入っていただけるプランを作りましょう。

計画地は駅から歩いて5分ほどの市街地にあるのですが
周辺を建物に囲まれているため風景のヌケがさほど期待できません。

唯一、開けた西側に土地の人たちに誇りとされる「熊野速玉大社」の神域
「神倉山」を望めること。この風景を取り込まないわけにはいきません。
「Mさん」ご夫妻はとても純朴でピュアな心を持っていらっしゃる方で
自分達の事や新宮の事をたくさん教えてくださいました。



それから 一つ気になっていたのが計画地近くの「浮島」というところ。
ここは池に島が浮かんでいるのですが、池の地盤と繋がっているのではなく
本当にプカプカ浮かんでいるのだそうです。
管理事務所のおばさんに聞いたら今は座礁!?して動かないそうですが
昔は台風などの突風が吹くと、池のあちらこちらに島が彷徨ったそうです。
島の土台を作っているのが植物が堆積して出来た「泥炭」だそうで
比重が水よりも軽いため浮いているのだそうです。

大正時代の浮島の写真が飾ってありましたが 、この頃はあちこちに
動き回っていたのでしょうね。
ペルーのチチカカ湖に浮かぶ葦の島みたいなものですね。

打合せの後、帰りの電車の時刻まで 時間があったので
ちょっと新宮の街を散策しながら、住まいの設計コンセプトの
ヒント探しに出かけました。
知らない街を無計画に歩くのは楽しいものです。
神倉神社の境内に足を踏み入れ、鳥居をくぐって階段を登ろうと思ったのですが
一瞬たじろいでしまいました。
この階段、写真で見るより実物はもっと急勾配。
途中まで登りましたが、他にも見たいところがあるし、
電車の時間もあるから。。次の機会にしようと。。諦めました。

神社から海側へ歩き出そうとした矢先、ある家の前で軒先から
写真のようなものを吊り下げているところがありました。
何だろうとしげしげ眺めていると通りがかりのおじさんが
これは2月6日の行われる勇壮な男の火祭り「お燈祭り」の松明とのこと、
この家のおじいさんが一人で作り続けてて、
出来上がると軒先に吊るすのだそうです。
Mさんのご主人もこの松明を持って参加しているんだろうな。
なんだかこの吊るし方がいいなあ。
バリ島のお盆に家々の門に飾る「ペンジョール」みたい。




それから、なんとなく海の匂いのする方角へ30分ほど歩いて 、
海亀が産卵に上陸する王子が浜へ。
松林へ入ると高架橋を通る新幹線のような轟音が響いてきます。


防潮堤に上がるとそこは黒潮が流れる太平洋。水平線の向こうはアメリカ大陸。
ポルトガルの海岸で見た大西洋の波ともまったく違います。
荒々しいというか力強いというか、もの凄いエネルギーを感じました。
清清しいパワーを熊野権現と太平洋から体中に貰ったような気分で
しばしそこに佇んでいました。
そしてこの地に暮らす人たちが本当に羨ましいと思いましたし、
この地がとても好きになりました。

住まいのイメージもコンセプトも少し見えてきたかな。
Mさんの人柄を生かした骨太だけど、シャープな家のカタチが
薄っすらと頭に浮かんでいます。

その日の遅い夕食は新宮で買ってきた「さんま寿司」。
めはり寿司は残念ながら売り切れでした。。。ご馳走様デス。

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