2011年12月7日水曜日

心地よい緊張感(鮨 まつ本)





時にはピーンと張りつめた緊張感を楽しみながら食事をしたい時もあります。

姿勢を正し、作り手との真剣勝負の対峙が男の美学だと思う瞬間があるのですが、
そんな体験をしてみたいという方がいらっしゃって、是非ともそんな鮨店があるのなら
連れて行って欲しいと所望されました。

私も今年1月にお邪魔した限で、本当に久しぶりに苦楽園の「まつ本」さんに伺いました。
店主の松本純さんはとても温和なお若い方ですが、腹の据わった男を感じさせる人だと思います。
他の鮨店にはない緊張感が漂っていますが、決して敷居の高い入りにくい店ではありません。
職人としての礼儀作法を頑なに守り、余計な話はしませんがその握りはとても美しい。

岡山湾の煮牡蠣

自家製カラスミ、富山の浜で干した蛍イカ、七尾の口子

日本海の戻り鰹

車海老

静岡の金目(濃厚な味です)

鮨は本当に美しい食べ物だと思います。
時間と手間をかけた仕事に本物だけが答えてくれます。
これだけ余分なものを削り落とした食べ物は無いと思います。
建築の仕事をしていて、いつも空間をどこまでそぎ落とすことが出来るのか悩みます。
足すことは簡単ですが、引くことはとても難しい。

純さんの仕事を見ていて思うのは、必死に考え抜いた手技がそこここに感じられること。
握りを出す所作にその自信を感じます。
それが食べる側の緊張感を生むのではないかとも思います。

是非一度足を運んでみてください。

鮨 まつ本

西宮市樋之池町2-33 セルシェール苦楽園1F
電話 0798-74-5499
月曜定休
営業時間11:30~14:00 17:00~22:00

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