2011年12月2日金曜日

有松絞り



名古屋で計画を進めている「Oさん」の土地、初めて現地調査をした時
JR東海道線からアプローチしたため、新しい街並みばかりで歴史を感じなかった。

また、この辺りの事は正直あまり知らなかった。
でも地図で調べてみると「桶狭間」など古戦場がすぐ近くにあるので、
相当歴史のある地域なんだろうなあ程度に思っていた。

次に名鉄本線から敷地にアプローチしてみると最寄駅は「有松」という駅だった。
駅前は現代的な大型スーパーとバスロータリーが目立ち、なんの変哲もない駅だ。
計画地に向かって少し歩き出すと、下の写真のような街並みが忽然と現れる。

お恥ずかしい話だが、これが東海道だとはまったく気づかなかった。
風情のある街並みだなあと思い、現場へ行く足が横道にそれてしまったのだが、
美しい街並みはどこまでも続いてそうで楽しそうだった。

少し歩くと絞り染めの看板がやたら目に付く。マンホールの蓋も絞り染めの模様。
このマンホールの蓋って、よくよく観察してみると非常に個性があり面白い。
余談ですが、スペインのバルセロナで見つけたマンホール蓋やバーゼルで見た蓋も
結構面白いものがありました。

ほらどこまでも続いているでしょう。
でもさすがに当時の京、大阪と江戸を結ぶ大動脈、道幅が広いですねえ。
そして建物が立派です。やはりこの「有松絞り」は尾張藩の加護を受けていたから
裕福だったんでしょうね。商家の作りが違いますもん!

卯建(うだつ)もなかなか立派ですし、緑青が美しい網代張りの戸袋
装飾的な蔵の佇まいなど、往時の繁栄ぶりを窺い知ることが出来ます。



やはり歴史ある町はいいですね。


尖ったところが無いので何かほっとする安心感がある。



明日、名古屋からその「Oさん」ご夫妻が私のアトリエにお越しになる。
この歴史ある町に正面から対峙するつもりはないが、
この街並みを歩いてインスパイアされたことは間違いない。
そして「抱きしめられる家」は本格的に設計プランが動き出す。

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