2011年9月7日水曜日

時間を刻んだ風景



今日は現場廻り。四世代家族の家では台風の影響で、足場シートをまとめていたので
外壁下地が顔を覗かせていた。
外部仕上は1階部分はレッドシダーの板張り。それに濃い色の木材保護材で仕上げをする。
2階部分は塗装仕上になる。
予算も厳しいので少ない費用の中で、出来るだけ建物に個性を出そうと色々考えて設計をした。


これから日に日に建物が変化していく。今週土曜日にはご家族に現場へ来ていただき
内装の仕上げの確認を行います。

ところでこの街に来て気になるものの一つがこのバス停。
何処にでもあるバス停なのかも知れないが、利用されるお客さんをあまり見た事がない。
おそらく朝夕は混雑するのだろうけど、昼間は誰もいない。

バスは30分おきに循環しているようですが、僕も利用した事はないけれどずっと気になっていた。
何が?って  その佇まい。雰囲気として沖縄辺りにあってもおかしくないような気がします。
空の青さといい、人気のなさといい、ペンキの荒れ具合、待合室のブロックの汚れ具合が
なんともいい味な気がして、誰もいないベンチに腰掛けてみたりして、たぶん沖縄だと
日がな一日何もしないでずっとベンチに腰をおろしてるおじさんがいたりする。
そんな風情を感じてなんだか好きな風景の一つになってます。

この風抜き用の穴あきブロックの積み方なんか高さといいテカリ具合といい とっても好きです。

駅からバス停に向かう道沿いには、古びた今は営業していないバーバーショップと
写真屋さんらしき建物が2軒だけあります。あとは民家が数軒。

さすがに夜は怖いかもしれないけれど、昼間見ているとこの街の栄華衰退を見るような気がします。
何度も書きますが、現場や初めての土地を調査するときは公共交通機関を利用します。

たぶん車で来ていたらこんな風景は記憶に残ったかどうかわかりません。
歩く事でその街の息使いや生き様を肌で感じられるような気がするのです。
成熟したこの街は人々の強いエネルギーを欲しがっているように感じます。

もう一度元気を取り戻したいんだと桜並木の古木たちが話しかけてくるような気がします。




その後、海に背を向ける家へ向かいました。こちらは阪急神戸線沿線。

街も風景も洗練されています。


一つ一つの街はどうしてこんなにも風情が違うのでしょうか?

同じ日本の街なのに、暮らし方がそんなにも異なるものなのでしょうか?

でも異なるからこそ、その街を探検したくなります。


道すがら途中の公園脇の遊歩道で名もない草の美しい花を見つけました。

なんという花なのでしょいうか?


花びらを見ると何かマメ科の植物のような気がするのですがわかりません。
ほんの数分、かがみこんで写真を撮っただけなのに、無数のやぶ蚊が襲ってきました。


あっという間に5~6箇所刺されてしまいましたが、よく見るといろいろな草花が生えてました。


現場では地下となる部分の土留め工事が行われています。
アースオーガという機械で土に穴を開けH鋼を打ち込んで行きます。

明日からは「記憶の家」で蛇籠とコールテン鋼の塀工事が始まります。


そして風景は少しづつ、秋の気配へ移動を始めたようです。



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