朝、出勤途中の庭先にノウゼンカズラが咲き始めたのを見つけた。夏になるとたくさんのオレンジ色の花が、密生する葉の間から顔を出す。今はまだ花は散り落ちていないけれど、いつもこの花の路上に散った姿が印象に残ってしまう。それは辺りに散らばるように落ちるというより、一所に重なるように落ちている気がする。濃厚な花の色がコンクリートやアスファルトの上に塊で落ちるから余計にそう見えるのだろうか。夏の、激しい季節に咲く花なのに他の花が持つ華やかさではなく、少し陰のあるようなアンニュイな感じが妙に心を惹きつける。それも落下した花びらたちに。 花言葉は「栄光」「名声」「華のある人生」「豊富な愛情」などなど。 その花言葉を聞くとこの花は美しく輝く時が最高なのかも知れないが、何故か僕はそこに目が行かない。
どちらかといえば華やかさが過ぎ去った後の見捨てられた花弁たちに、この花の本当の美しさが
あるような気がする。
下の写真のようなプルメリアの花びらは、落ちてもなお華やかさを保って気高い気がするのだが、
同じような熱帯の「ねっとりした濃密な空気」がとても似合うのに、なんとなく陰のある脇役で
常に主役になれない女優ぽいところに強く惹かれるのだろうか。
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