2011年6月4日土曜日

西天満 松弥





設計事務所のブログなのに、最近やたら料理の話題が多いと叱られそうですが、
これも仕事の一部と思ってますし、料理人の方と話をしていると建築家仲間と
熱いディスカッションをしているような錯覚に陥ります。

純粋にモノをつくる職種の人たち同士は、どこか共通点があって何かと共感する部分が
多いのです。  長ったらしい言い訳ではありません。本当に!

さて、クライアントであり、食通の「KOさん」から久しぶりにお誘いがあり、西天満の「松弥」さんに
出かけました。
ここは以前、鮨の名店「嘉瑞」があった場所。嘉瑞の堀内さんも東京からお奨めされている店です。
      
昨日は3名でお伺いしましたが、私達のために貸切にされたようで、それだけでもご主人の中井さんの
並々ならぬこだわりが 伝わってきます。ご覧のように看板も暖簾もありません。

このお店はカウンターと調理する場所が非常に近いので、まったく知らない方を前にして料理する程
まだ腕に自信がないと、知り合いのご紹介でしか予約を受付けていないそうです。

兵庫県の猪名川町で父親が経営していた食堂を引き継ぎ、10年近くの間、自分の作りたい料理は何か?
日々没頭、極めることを探求されていたそうです。

料理の味なんて主観ですからその美味しさは人それぞれでしょうが、例えば下の写真の白いかに
添えられている刻んだ胡瓜。一口食べてびっくりしました。
普通の胡瓜なんですけど、まったく味が違う。「これすごい胡瓜ですね!」と言うと、実は猪名川町の
契約農家の胡瓜で、「朝6時10分」に収穫したものだそうで、その畑ではこの時間通りに収穫するのが
一番美味しいんだそうです。胡瓜1本にそれだけの拘りあるとは思いもしませんでした。

右のマグロの握りも鳥取産を10日ほど寝かせ、米も鮨店で使う古米ではなく、口の中で崩れにくい
新米を使う。料理屋の握りにしたいという拘りから。。。
      





      
ここにも本当に自分の理想を追い求める職人がいました。この中井さんという料理人、


まだ知らない世界をたくさん持ってらっしゃるようで、非常に魅力的な人です。


そして謙虚で腰が低い。



僕はずっとこの人の料理を食べ続けてみたいと思いました。


料理に尖ったところのない、苦労と努力を重ねた味ではないかと思います。



そして日々の自分がもがいている事を情けなく思いましたし、死に物狂いで


前へ進むことを心に誓いました。



本当に満たされた夜になりました。いつものように先に帰られた「KOさん」に感謝です!








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