2011年5月28日土曜日

原風景






大阪に住んで20年以上なるのに、中崎町の路地なんて一度も歩いた事がなかった。
空堀とかもそうなんだけど、古い町家をショップや飲食店に改造している街は
あちこちにあるのだが、どうしても自分がそこに馴染まない気がして行く気がしなかった。

理由はよく分からないのだが、自分自身の中に素直にいいなあと思えない何かがあって
避けてたように思います。

少年時代こんな風景はそこらじゅうにあって、自分達の遊び場の一つになっていた。
写真のような面格子のお店(当時は散髪屋なんかだったりして)の壁に白黒TVが、
トビラ付きのハコに大事に収められていて、月光仮面なんか放映されて近所の子供達が
窓に群がっていた。

日本中がそんなに豊かでなく、みんな似たような生活レベルだったような、そんな街の風情が
僕の原風景の中にあって、それはそれでそっとしておきたい何か懐かしい匂いのする場所の
ような気がする。
だからそんな街へ行くと白黒写真の思い出が次々と頭に浮かび出してしまう。
いやな思い出ではなく、むしろ楽しい思い出なんだけど、今の街並みに自分自身を上手く
合わせられない不器用さが歯がゆいのかもしれない。

歳をとった事を誰かに覚られたくないと密かに思っているのだろうか。














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