2011年5月14日土曜日

焼杉






建築材料の中で最近好きになったのがこの手焼きの「焼杉」。

バーナーや薬品で表面を焼くのではなく、杉板を3枚づつ三角形に組み
新聞紙、おがくずなどに着火させて焼き上げる昔ながらの伝統技法。
これで焼いた板はメタリックな光沢感があり美しく、そして耐久性がある。

写真は「櫻山居」のために焼いていただいた時のもの。
凄い火柱が上がりますが、頃合を見計らって、板をバラします。
そうすると表面の5~6ミリが炭化するだけで綺麗に仕上がります。
          
          

1分も経たないうちに出来上がり。
焼けて反り上がった板は積み重ねているうちに平になるそうです。

          
下の写真はその焼杉を壁面すべてに使った「櫻山居」。
瀬戸内の穏やかな光が建物を包み込みます。
季節の変化や光の加減でその表面は微妙に変化します。

          
圧巻なのは夕焼けの茜色が杉板に映り、建物がオレンジ色に輝く時。
言葉では表現できない美しさです。
          
荒々しい焼杉の表面。焼杉は焼くと少し痩せるため、目板でジョイント部分を押さえ
雨水の侵入を防ぎます。この地方独特の施工方法のようです。

          
暮れなずむ頃、藍色に変化する焼杉の壁。
「櫻山居」ダイニングを照らす白熱灯とよく合います。
          
現在設計中の「記憶の家」、櫻山居から1時間ほど離れた場所なのですが、
この辺りも古い家は焼杉を使用しています。
醤油醸造所をイメージした家ですが、外壁を焼杉と漆喰を使ってデザインします。






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