2011年4月17日日曜日

レッドトラバーチン




好きな建築材料の一つに石があります。



その中でも特に好きなのがこのイラン産の「レッドトラバーチン」という大理石。

この大理石が気になりだしたのは梅田の阪神百貨店地下コンコースに

使用されているのを見てから。かれこれ20年以上前です。



その後、強いインパクトを受けたのは九州、福岡の中洲にある「ホテルイルパラッツォ」

イタリアの建築家「アルド・ロッシ」の作品で建物正面に窓がないホテルです。

存在感の強い建物だと思います。


16年ほど前、わざわざこのホテルに泊まるために博多へ行った記憶があります。

設計する際、何処かの建物で必ず使おうとその時から考えていました。

写真「北浜プライマリーワン」エントランスロビーのレッドトラバーチン


それはこの建物「北浜プライマリーワン」でやっと実現しましたが、

1枚のスラブ(2m x 2.5m)の石だったので石屋さんから

スラブのままで使いましょうと言われていたのですが、

石そのものは下の写真でもわかるように非常に素材感のある材料です。


単純に大きい石を3枚並べてしまうには、まわりがコンクリート打ち放しだから

この石の存在感が強すぎると思ったのです。

それに石を貼る面積がけっこうあったので、その重量感も消してした方が

面白いのではないかと考えていました。


レッドトラバーチンを見ていると、イタリアのニットブランド「ミッソー二」を

彷彿させるようなイメージがありました。

そこで40cm角に切り刻み、連続した模様にならないようランダムに貼ったのですが

ねらい通り、美しいニット模様のような重量感の無い壁が出来上がりました。


個人的に大好きな壁で時々ロビーを覗きに行きます。


阪神百貨店地下コンコースを飾るトラバーチン。

大阪の方ならご存知のはず。 この石も輸入量が少なく貴重品です。


トラバーチンはアルプス造山運動による石灰岩が熱と圧力を受けて

大理石化したものもあったが、石灰岩が湧水、地下水などで溶けて移動し、

再沈殿して生じたもので、圧密作用を受けていないので極めて多孔質な

石灰岩で縞状をしている。白い部分はこの縞状のトラバーチンが熱の影響を受け

方解石が脈状に再結晶してるものです。


今度は新しい使い方でチャレンジしてみたいと思ってます。

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