2011年4月6日水曜日

何気ない行為




昨日、完成した「BW-H」の引越しのお手伝いに出かけた。


僕は最近ほとんど車は使わないで、公共交通を利用している。


昨日も地下鉄、私鉄、バスを利用した。


「BW-H」は私鉄駅からバスで15分ほどのところにあるのだが、


バス停で待っていると足の不自由な老婦人が杖をつきながら


僕の後ろに並ばれた。


とても不自由そうでじっと立っていられなさそうだった。


まもなくバスが到着したのだが、バス停近くに車が違法駐車していて


少し離れて停車した。そのためにバスのステップまでに段差が出来てしまった。


僕は老婦人の腕を抱いてゆっくりとバスに乗せた。


幾つか先の停留所でその老婦人は「ありがとうございました」と


言われ降りていかれた。 そのあと、肩をポンとたたかれた


「あなたはとても良い事をしましたね!」と言う声が


後ろから聞こえてきた。振返ると白人の老紳士だった。


「僕は何もしてませんよ」と答えたのだが、「出来ない人がたくさんいるんだよ本当に!」と


バスの乗客に聞こえるかのように大きな声で言われた。


途中のバス停には大学があり、学生もたくさん乗車する。


彼らに聞こえるように話したのかもしれない。


彼は途中のバス停で下車した。よく見ると彼も少し足が不自由だった。


何か嫌な思いをしたのだろうかとも思った。


バスを利用するようになって気が付いたのだが、


バスは油圧で車を傾けステップを低くすることが出来るようになったんだ。


10数年前、スイスのバーゼルでバスに乗った時、


停留所でバスがいきなり傾いて人を乗せたのには驚いた。


ヨーロッパはすごいなあと思ったのだが、身近で同じようなバスを見て


とても嬉しくなってしまった。 しかし、震災のその後の事もあるけれど


人が人を手助けすることに特別な意識を持たないで


自然に振る舞える当たり前の世の中でありたいと思う。



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