2011年2月5日土曜日

ドキドキの瞬間



一昨年10月に設計を着手して工事を進めていた東野田プロジェクト。
正式名称は「アーバネックス京橋プライマリーワン」といいます。

今年3月に竣工予定なのだが、数日前から足場の解体が始まった。
気になってしかたなく、解体中の現場を訪れた。

意匠設計の中で一番ドキドキ、ヒヤヒヤするのがこの瞬間です。
外観の仕上げがおおまかに済んで足場解体となるのですが
どんな風に出来上がっているのかこの時まで誰もわからない。
分かっているのは自分だけ。
でもその自分だって余程自信がない限り、なんとなく不安なんですよね。
今はコンピューターグラフィックスを使ってあらかじめ近似値は想定できるのですが、
現実は立地条件や光線の具合で想定外の事が起こったりします。

特に今回のプロジェクトではバルコニーの手摺にアルミステンカラーのバー材を多用しました。
ステンカラーは太陽光や周辺の環境光をアルミ自身が吸収するので複雑に反射します。
それが狙いでもあるのですが、こちらの思惑通りに反射してくれるかちょっと不安でした。

で、結果は?   大丈夫!イメージ通りの雰囲気が出せました。良かった!

プロジェクトのコンセプトの一つである「風景、光景を作る」という命題に対して、
「東野田」という過去からの地域性を考慮し、「人々の日々の営み」を建築意匠的に
何か表現できないかと考えていました。
そこで大地を耕作する人々のたくましさや生命力みたいなものを、
建物の外皮(ボリュームがある手摺部分)のイメージに使おうと思いました。
それは「土や田畑そのもの」ではないかと考えた訳です。
上の航空写真(これはオランダの穀倉地帯ですが)でわかるように
畑のパッチワークパターンにヒントを得て手摺をデザインしました。

そのパターンは奇数、偶数、素数を使って配列してあります。

太陽光線を反射しているので、写真に撮ると白っぽく見えますが
実物はもっとシックです。
これから1階のエントランス廻り、外構工事が始まりますが、
周辺建物とはまた違った味のある集合住宅になると確信してます。







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