2011年1月9日日曜日

タイル検品(1)


昨日、京橋プライマリーワンのエントランス、ホール等に使う特注せっ器質タイルの検品に
工場のある岐阜県瑞浪市へ織部製陶(株)増田社長、担当の山下さんとご一緒した。


名古屋から電車で多治見市へ。そこから車で30分ほどの山中にある工場は
作業員30人ほどの規模だ。
規模は小さいが、機械化された大量生産の工場と違い、手作りの本当に味のある
素晴らしい製品を作られている工場だ。

ある意味、日本の現代建築の一部を支えていただいている重要な会社ではないかと思う。
今回は盛りだくさんブログに書く内容があるため、数回に分けてアップします。

まずレクチャールームでこの工場のシステムと製造工程、特徴などを
工場長の塚本さんから説明していただく。

注文内容により、粘土(基本はこの辺りで採れる白色土)色素の種類、配合、を変え
1320度というかなり高温で焼くことで還元(窯変)による味のある表情が生まれる。
写真にあるのが粘土、色素のサンプル。

工場の建物と今回検査した2丁掛けタイルの製品。



工場の最上部にある原料置き場。ここで製品により配合を合わせる。
配合された原料は細かく粉砕され、各納入現場ごとに仕分けされストックされる。


製造工程に入ると右の写真のように、注入口から原料が投下され
水、色素などと攪拌された後、ベルトコンベアによって適度な長さで押し出される。
これは押し出されてきたタイルの材料を指定された寸法に切り落とす機械。
カットは細いピアノ線で裁断します。写真のリングで長さを微調整する仕掛けです。

裁断されたまだ生の状態のタイル。
互いにくっつかないようタイルには油(石油精製品)が塗られてます。
反り、ネジレ防止の為、焼き上がりまで2枚が抱き合わせの状態で進行します。
製造工程は5ラインあるそうで、それぞれ別々の製品が製造できるそうです。
乾燥、焼成に入るまで製品には水分が残っている為、この工場では
生乾きのタイルに毛布が掛けてありました。
工場が山間部で氷点下になるため、タイルが凍結しひび割れが生じ製品にならないそうです。

焼きに入る前、貨車に積まれた状態で一定時間乾燥されます。

乾燥室の横に私の現場の完成前の製品が置いてありました。
真ん中の小さな穴のところで2つに割って箱詰めされます。なんとなく嬉しい!

ゆっくりと窯に入っていく製品。奥のほうに高温の炎が見えます。
その後、50時間かけて ゆっくりと冷やしていきますが、右の写真の状態でもまだ温かいです。

その後 製品はベルトコンベアで運ばれながら、機械で2つに割られ箱詰めされていきます。

この工場に隣接して、中村好文さん設計の「瑞浪芸術館」があります。
工場長のご好意で中を見学させていただきましたが、
詳しくは後日アップします。

タイルの製品検査は久しぶりだったのですが、こんな手作業で製品を作っている工場を
見学したのは初めてでした。 (2)へ続く






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