昨日は牛窓の「櫻山居」の施主、設計検査でした。
養生を取り払って、やっと全貌が確認出来ました。
この「櫻山居」にはいくつかの宝物があります。
今回はその一部をご紹介します。
まずは圧倒的な光の量です。もともと瀬戸内海は晴天の日が多いのですが、
この「櫻山居」の立地は建物を遮るものがほとんどありません。
日の出から日没まで一日中、陽が当たります。
ですから色々なところから光が侵入してきます。それはもう本当に刺激的です。
夏の日中はそれこそ、うだるような暑さではと思うのですが、ここは牛窓、
海も山もあり、日中は周囲の木立を抜けて気持ちのよい海風が吹いてきます。
都会の蒸し暑さなどぜ~んぜんありません。
2階の個室には南からの太陽が気持ちよく降り注ぎ、夕刻になるとアプローチには
美しいシルエットが出来ます。
夕刻、この建物では自然が作る感動的な素晴らしいショウが始まります。
夕陽が輝きだすと版築もオレンジ色に染まります。
その間にあるFIXを覗き込んでみると、階段のシルエットの向こうに
朱色の壁が垣間見えました。
FIXガラスの間から一筋の光がシャープなラインを作っていました。
染め上げています。思わず、施主のKさんご一家を大急ぎで呼びました。
朱色の光は壁だけでは物足りず、土間全体を薄紅に照らしていたのです。
夕陽が茜色の壁を作っていきます。本当に自然は天才的な芸術家です。
この色どこかで見たことがある色と考えていたのですが、そうそうイタリアのテレニア海浮かぶ
ナポレオンが幽閉さた島、エルバ島のポルトアズッロでよく見かけた壁とまったく同じ色。
夕陽が見られる日は毎日こんな色に染まるのでしょうか?
空気の密度と光の強さ、沈む太陽の緯度が日々変化するので、
また違った光景が見えるのかも知れません。それにしても本当に羨ましい。
これが日々見られるのですから。ずっと見てても飽きないと思います。
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