2010年8月18日水曜日

版築お披露目




8月の初め、施主始め事務所スタッフ、学生などが手伝って施工した版築壁の
型枠を取り除く日がやって来た。

養生している間、内心ヒヤヒヤしながら気になってました。
施工をしてくれた左官屋さんも、工事が終わった後、
本当は今直ぐにでも型枠を外して、どうなっているか見てみたいと
ポロッと本音を漏らしてました。

やっと今日、型枠解体が始まりました。

徐々にその姿が現れてきます。想像していた以上にシャープな印象。
出来るだけ型枠の板目に合わせて突き固めて欲しいとお願いしていたのだが、
まさにその通りの出来栄えで、私のイメージしていた通りになっていた。
これで表面が少し風化して、中の砂粒や鉄粉、ワラスサが顔を出してくれると言うことなし!
 
まだ、乾ききっていないので同色系の積み重ねに見えるが、
途中に幾つかの混ぜ物をしてあるので、時間が経つとその特徴が出てくると思う。

玄関の通り土間からみた版築。真ん中のスリットに強化ガラスが入ります。
その手前には黒い玄昌石の土間に薪ストーブが据えられます。
この状態でも完成後の暮らしぶりが見て取れる。
敷地の草刈をするとこのスリットの向こうに瀬戸内の海がチラホラ見える。
一つ一つ、人間の手を使って作り上げた建築材料がこの家を完成させていきます。
その痕跡があちこちに残っている家なんてそうそう出来るものではありません。
施主のKさんは明日現地へ行かれるそうですが、
手で触ってその感触を楽しんで欲しいと思います。
この壁はすぐに養生用のシートで覆ってしまうので、また当分見ることは出来ません。
完成まであと1ヶ月少々。これから建物はどんどん変化してきます。
毎日見てても飽きません。
版築が思い通りだったので、ちょっとほっとした1日でした。







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