本日、焼杉の製品チェックと版築の試作立会いに「牛窓」へ出掛けました。
今回は車を使わず、JRで向かったのですが、
新大阪7時49分の新快速で姫路まで行き、そこから赤穂線に乗り換え、
播州赤穂駅でもう一度「新見」行きに乗り換えます。
約2時間30分程で最寄りの邑久(おく)駅に到着。
そこから現場までは車で15分ほどかかりますが、
元浜組の小橋さんに迎えに来ていただきました。
途中駅のプラットホーム横に小さな栗の実を見つけました。
知らぬ間に季節は時を刻んでいるのですね。
JRの時刻表、昼間は1時間に1本から2本程各駅停車の電車が走っています。
のどかな田園風景が広がり、ちょっとした読書タイムでした。
因みに読んでいたのは、益子義弘氏の「建築への思索ー場所を紡ぐ」
だったのですが、本の内容と風景がとてもマッチしてよく頭に入りました。
森材木店の森社長、人柄を思わせるいい笑顔です。
焼杉も枚数が多いので、暇をみては焼いていただいてます。
まだ、施主のKさんや私達も焼くところは見ていないので
見学用に一部残してあります。
焼杉は一人で焼いているそうですが、市中に出回っているバーナー焼の焼板から
やはり、本焼の方がいいという施主や設計者が増えて、最近は遠方からの依頼も
多いそうです。
先日のブログに掲載した手塚さんの「牛窓のアトリエ」の焼杉も森さんが焼いたそうです。
これが正真正銘の手焼の焼杉です。小口まで焼けていますが、
炭化しているのは表面の5ミリ程です。
焼き加減は森さんのお父さんから受け継いでいるそうですが、本当に美しい墨色です。
今回は焼杉の上から幅45ミリ程の目板という木で目地を押えるのですが
その目板も1枚ずつ焼いてもらってます。
さすがに幅が狭いので小口までは火入れが出来ないそうで、
そこだけはバーナーで処理するそうです。
節があるとそこで反るので、すべて無節の板を使うとのこと。
重ねられた焼杉の上に1枚だけ反りあがったものがありますが、
上に重ねていくと元に戻るそうです。
建物が多くの人の手を経て仕上がっていくことを実感します。
そして、色々な方がこの建物が出来上がるのを楽しみにされています。
現場へ行くと、まだまだウグイスの鳴き声や、前島行きのフリーの汽笛が
森の中から聞こえてきます。
ツバメも数多く飛び回っています。
敷地横のオリーブ畑の実が少し膨らんできたようです。
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