2010年7月6日火曜日

余韻



土曜日の夜、「嘉瑞病」に侵され禁断症状が激しい4人がとうとう、
東京上野毛にある「嘉瑞病院」で手当てを受けることになった。

1ヶ月ほど前に予約して、おいしい薬をいただける日は、まだか、まだかと
のた打ち回りながら、悶絶の日々を送っていたのだが、やっとその日が来た。

学生時代を過ごした自由が丘駅前で待ち合わせ。
お客様であるM社長ご夫妻と私と相方の重症患者4名だ。

鮨の名店「あら輝」が銀座に移転された後のこの店、師匠からお声がかかり
大阪の店をたたみ、相当な覚悟の上であとを引継ぎ店を始められた

暖簾も看板もない外観。小さく「鮨 嘉瑞」と書かれた行灯がポツリと
店先に置いてあるだけで、通りすがりの人が気軽に入れるような
構えではない。
表札もあるにはあるのだが、白木の一枚板に嘉瑞と彫ってはあるが、
10センチ程の至近距離でないと確認出来ません!

「今晩は!」と声をかけ中へ入ると、おお!すでに治療を受けている患者さんが
8人程いらっしゃる。皆さんなんだか嬉しそうな、楽しそうな顔ですよ。
薬がきいてるんだな。

院長先生曰く、うちの患者さんは9割が関西人で、本日も東京の鮨店なのに
関西人に連れてこられた東京の方がお二人。それ以外は全部関西人だそうです。
老松町のお店でお見かけしたこともあるような、ないようなお顔の方もいらっしゃる。

定例食事会をお願いしている「KOさん」も、何度も治療に来られているらしい。

関東ではなかなか築地に上がらない「アラ」のお造り。
クエとはまったく違う高級魚だが、脂の乗りが半端ではない。
最後にもう一度、炙りで出してもらったのだがこれは凄かった!

新子のにぎり、院長先生が仕事をしっかりされた新子やこはだは絶品です。
大好きな一品です。

飾り包丁が美しい「漬け」たまらんなあ!

結局、なんだかんだ言いながら、院長先生に気合の入った治療をしていただいたお陰で
禁断症状も癒え、身も心もすっかり元気を取り戻しました。
ありがとうございました。

ただ、ただ、残念なのはお薬がもらえないことなんです。
でも、お薬の替わりに「いつまでも続く余韻」をいただけるんです。

本当に美味しいものには「余韻」があるんです。
翌日も、その次の日までも、その後も。。。
そして「心許せる友人たちと過ごす至福の時間」が、それを増幅させてくれるのです。

禁断症状のサイクルはどんどん短くなって行くのかも知れませんが、
そんな熱病にうなされた患者さんたちが、上野毛詣でを繰り返しているのです。

院長先生である堀内さんの鮨に対する「思い」や「こだわり」が、近いうちに地元の
患者さんを増やしていくのは間違いないと思いますが、
僕らの事も忘れんといてください。
多分、すぐに我慢できない禁断症状が出ると思います。

僕達が診察を受けた翌日、別の友人たちが訪れたそうです。

みんな好きやなあ!





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