2010年6月4日金曜日

牛窓「焼杉の家」上棟



6月2日大安 待ちに待った「焼杉の家」の建て方が始まった。

思えば施主のKさんから住宅の設計のお話をいただのは1年2ヶ月程前で、
当初の計画は兵庫県篠山市の山裾にある、親族が所有されている敷地だった。

事情がありそちらでの計画を断念されたのだが、以前から岡山県に住みたいという
強い希望があり、二人でどこがいいだろうと検討をしていた。

しかし、縁とは本当に不思議なもので、岡山県で探すということになったら
当事務所スタッフの親族が、岡山県の瀬戸内市牛窓に土地を所有しているので
譲ってもいいというラッキーな話が飛び込んできた。

そこから先の話は2009年7月27日のブログに書いていますので
お暇な方は読んでみて下さい。
この場所で決まることを予感する内容が書かれています!

だから、Kさんと僕にとってはとても感慨深いんです。

そしてもっとすごいのは「Kさんのお母様」。
日本の伝統的な材料(貝灰、珪藻土、焼杉、栗の木など)がとてもお好きなのですが、
予算が合えば外壁を焼杉にしたいと希望された。それも手焼の板を。

事務所にあった藤森照信氏の「素材の旅」を思い出し調べてみると
この辺りは焼杉の本場であることは知っていたのだが、その中で牛窓の「森材木店」を訪れ、
手焼きの実演をしてもらっているのがわかった。

最終的にお願いすることになった地元牛窓の工務店、「元浜組」さんもこの森材木店と
付き合いがあるということで、話がとんとん拍子に進み、今月26日前後に森さんのところで
焼いてもらうことになったのです。
色々なことが重なり合い、住いが出来上がっていくのだなと実感しています。

話は上棟に戻しますが、学校での講義が終わりなんとか夕刻の牛窓へたどり着きました。
オリーブ園駐車場前から見える瀬戸内の穏やかな海です。


レッカー車のブームが伸びているところが敷地ですが、よーく見るとその向こうに
「屋島」の姿が見えます。あの向こうは庵治、高松です。右の写真の中央に小さく見えるのは
ベネッセの美術館がある犬島です。その右後ろには直島が見えます。

先日、直島福武美術館財団(ベネッセ)の理事長 福武總一郎氏の講演で拝聴した
熱い思いとラップし、何か特別な思いを感じました。


建て方の写真は元浜組の小橋さんが撮影してくださったものを使ってますが
彼は毎日、日報の代わりに写真データを送ってくれます。
地盤改良、基礎配筋などの写真もすべて彼が撮影してくれたものです。
小橋さん、有難うございます。お陰ざまで現場の状況が手に取るように判ります。
  
1階のダイニング辺りの建て方の様子。今回柱は間柱も含めすべて桧材を使いました。



東側平屋部分の小屋組みです。右手の写真は玄関からダイニングへの通り土間に
ある独立柱。黒御影石の束石にアンカー固定しています。ここの床仕上は玄昌石貼りです。

18時頃建て方が終了したので、いそいそと2階と屋根へ上がってみました。
前島のすぐ後ろに小豆島が鎮座しています。美しい眺めです。
 
夕闇が迫る頃、牛窓の南東方向にある旧市街(東町、西町)が見えます

この辺りの木立は別の地主さんのものですが、枝払いの許可をいただいているので
建物が出来上がる頃にはもっと視界が開けると思います。

牛窓は日本夕日百景に選ばれているのですが、本当に美しい夕焼け空です。
岡山市方向に沈もうとしているのかな。
今年の夏は建築途中(9月末完成予定)ですが、建物の真ん前の海に花火が上がりますので
その時は泊りがけで現場監理をしに来よう!









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