2010年4月17日土曜日

版築


版築(はんちく)という言葉をご存知だろうか?

版築は土壁や建築の基礎部分を堅固に構築するために
古代から用いられてきた工法である。版築自体はほぼ土のみでできているが、
築造時には若干の木材を要する。

版築という語は、版築という工法自体を指す場合と、版築で作った壁等の
構造物を指す場合とがある。

中国では古代における長城など大規模な工事での使用例も多いが、
日本では主に家屋の壁や城郭の土塁などの建設に用いられることが多い。
日本ではすでに廃れた方法だが、中国では西域などで安価かつ技術的に
容易であり、粒子の細かい黄土が版築に適していると言う点から、
現代でも多く用いられている。

また版築は日干し煉瓦などと同様広く見られる手法であり、西洋でも
民家や教会などに版築が見られ、現代建築においても外壁などに用いられる。
(出典 WIKIPEDIAより)


版築の例。  法隆寺の築地塀も版築で作られている。(WIKIPEDIAより)

で、何を言いたいのかといいますと、現在牛窓で進めている「Kさんの家」の
薪暖炉の後壁をこの版築で仕上ませんか?とKさんにお願いしているのです。
版築は土を10cmほど木枠に入れ強く突き固め、順番に上部へ積み上げていく
技法で固まると、雨でも崩れない程強固になるそうだ。

日本では吉野ヶ里遺跡など古墳などにも多く使われていたらしく、
丁度「Kさん家」の敷地の隣は「牛窓47号古墳」があり、おそらく基礎固めに
この版築が使われたのではないかと推測している。

最近日本でも版築が自然由来の工法であることや、材料である土が持つ
適度な調湿、調温機能からその有効性が見直されて研究もされている。

そこで敷地の土を使い、版築で外壁の一部を作りませんかと提案しているのです。
Kさんご一家は版築に非常に関心を持たれていて、予算的になんとかなれば
やってみたいと言われている。
またお母様から「貝灰」を家の材料に使えないかと要望があったこともあり、
土に混ぜる材料の一部に敷地内の小石や藁スサ、貝灰も使えたらと考えている。

これは京都天竜寺の築地塀です。古瓦を挟みながら仕上ている。
Kさん家の玄関土間南側にある薪暖炉の後壁「版築」(CG制作 スタジオクランツォ)
ガラススリット越しに瀬戸内の風景が見える。高さ2mほどを版築で施工してみたい。
岡山には本格的な版築が出来る左官屋さんが5人ほどいらっしゃるそうで
是非チャレンジしてみたいと思っています。







2 件のコメント:

  1. はじめまして。愛媛で版築の研究をしております「いで」と申します。ちょくちょく拝見させて頂いております。何かととても勉強になります。話は変わりますが、食べるのは好きなのですがB級専門の為なかなか自分のブログに書けません。いつの日にか岸田シェフの料理を食べたいと願ってはおりますが・・・。

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  2. 昭男さん、始めまして。コメントいただいていたのに気が付きませんで申し訳ありません。版築を施工した施主のお母様は愛媛出身ですよ。時々松山にお帰りになってます。
    またコメント下さい。B級グルメ大好きです!

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