2010年3月9日火曜日

本焼杉の家


今日牛窓で計画中のKさんと最終図面の打合せを行った。
基本的に承認をいただいたので、工務店に見積依頼の準備を始めることになった。

外壁は本焼の杉板なのだが、その風情が好きだとおっしゃるお母様に
もう少し具体的に建物の雰囲気がわかるように模型を作って説明することに
した。しかしどうやったらその質感や味わい深さをだせるだろうかと思案の末
段ボールと4Bの鉛筆を使って作ることにした。

制作担当はオープンデスクで事務所に来ている専門学校生のA君。
私が教えている学校の生徒でもある。



ダンボールの筋目と柔らかさ加減がいい感じ。4B鉛筆で着色し定着液スプレーで鉛筆の
色落ちを抑えた。あえて直線の精度を押さえ、焼杉の暖かな雰囲気を演出してみた。

A君のがんばりで打合せ当日時間ギリギリでなんとか完成したのだが,打合せのの途中
A君が静々と長さ1m程のランドスケープ模型の上に鎮座したK邸の模型を運んできた。

本日はKさんのお母様も打合せに同行されていたのだが、模型をみてとても喜ばれ
是非、地元の本焼杉で家を作りたいとおっしゃっていただいた。
お母様が一番焼杉にこだわっておられたので、具体的に建物のイメージが出来た様子。


エントランスまでのアプローチは木製の縦ルーバーを取り付ける予定なのだが
その雰囲気もよくでてます。

敷地のすぐ近くには焼杉を使った手塚貴晴+由比さん設計の「牛窓のギャラリー」が
あるのだが、同じような焼杉を使いながら出来るだけ質感の違う建物にしたいと思う。

お母様の妹さんは欧州在住の版画家で、その作品を玄関土間に飾りたいと考えている。
エネルギッシュで圧倒されるほどの存在感がある作品を建物がどう受け止めてくれるか
悩ましいのだが、現地に移り住んだら畑を耕したいというKさん一家のために、牛窓の
自然と共に暮らす肩の力を抜いた「農家」を僕は作りたいと思う。

A君、喜んでもらえて良かったね!自分が作った作品をお客様から直接褒めていただく事なんて
なかなかないのでいい刺激になったのではないでしょうか。

4月半ばの着工に向けてあと少し。いい住いを作るためにスタッフ全員頑張りましょう!







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