2009年9月13日日曜日

まつ本と嘉瑞(かずい)



タイトルは私がよく行く2軒の鮨屋の名前です。
昨夜食べた鮨の余韻があるうちに伝えたいこと書いてしまわなければ。。。。

「まつ本」は阪急苦楽園口に「嘉瑞」は梅田老松町にあります。

鮨が大好きな方でしたらご存知だと思いますが。
どちらかと言えば新しいお店かもかもしれません。しかし名店だと思います。
名店と呼ばれるには美味しいということだけでなく色々な理由があると思います。

「まつ本」さんを知ったのは「あまから手帳」です。
僕の眼を引き付けたのは輪島塗のつけ台に載せられた鮨の美しさです。
こんな美しい鮨を握るお店だから絶対に美味しいに違いないと
電車を乗り継いで苦楽園口まで出掛けました。

もともとお父さんが西宮北口で鮨店を開いてらしたそうで
彼は二代目らしいですが、父親のお店を継がず自分の店を出したそうです。
父親のお店以外で修行したことはなく、ほとんど独学のようです。

お店は駅から歩いて10分くらいのところにあるのですが
大将の「松本純」さんはびっくりするくらい若くて、学生時代は相当「やんちゃ」らしかったそうです。
最初にお会いしたときは少し怖いくらいで腹の据わった男気のあるような印象でした。
でもお話をするうちにとても優しくて、この人の「鮨」に対する拘りと造詣の深さそして思慮深さと
寡黙さは本当の職人(建築家も含め)にしかない「カリスマ性やオーラ」があるように感じます。
いい魚が入った時の嬉しそうな顔は子供みたいだし、魚、お米、酢に対する研究心は
生半可ではない。最近やっと納得のいく米が見つかったけど「酢」はまだまだ決まらなくて
色々試している最中とのこと。
場所柄口が肥えたお客様が多いと思いますが、思わず口元が微笑んでしまうような
素晴らしい鮨を握ります。
まだ若い鮨職人なのでこれから熟練しますます楽しみになります。

 
写真は「まつ本」さんがお奨めしてくれた東京の浜松町にある「宮葉」という
最後の江戸前鮨職人と言われる大将が僕らのために握ってくれた鮨の 表と裏の違い写真。
どちらが裏表かわかりますか?
松本さんはこの店に開店時間の5時半に来て大将の仕事をみてていいですかと尋ねて
許しが出たのでそのまま閉店まで店の片隅でこの名人の仕事をずっと見てたそうです。
因みに写真は左側が鮨の正面(表)右側が裏側だそうです。

一方「嘉瑞」は東京の名店「あら輝」で修行をし4年前に老松町にお店を開いた方。
今年の大晦日で店を閉めます。修行していた「あら輝」が銀座に移るため
世田谷にある現あら輝の店舗を譲り受けあらためて来年3月にオープンします。
オープンの日は大阪の常連さんたちが押しかけることになってて今から予約で満席だそうです。
それほど人々を魅了する鮨を握ります。
そして閉店まですべて予約で埋まっている為、ここのところお店の外灯も点けず営業されています。

このお店はよく食べに行く新町のイタリアン「ギャロワーズ」のオーナーシェフ「武さん」に
い鮨屋があるから食べに行こうと誘われ、それも「予約が取れるのが2ヶ月くらい先だから
忘れんといてね山口さん」と言われ「えっ!そんな先なん?」というくらい食べに来る常連さんが
次の予約して帰るからなかなか予約が取れない店でした。
僕も食べた帰りにしっかりと次の予約をして帰りましたが。。

ここもまた師匠譲りの頑固さで本当の江戸前鮨を握っていらっしゃいます。
鮨ネタはほとんど築地から入れてるそうですが、東京で店が開けることで
何よりも一番嬉しいのが築地へ行って自分の目で選んで魚が買えることだと話されてました。
赤酢のシャリに特徴があり、摘むときは型崩れせず、口に入れたらほろほろと崩れていく。
昨夜も4人で出掛けていたのですが、一品一品に感動しきり。
最後に出る穴子とかんぴょうの巻物(有明産の海苔がただものではない)なんか
あまりの美味しさにカウンターに座ってるお客さん全員が眼を閉じ「うーん」と唸ってたそうです。

関西の数少ない本格的な江戸前鮨店が閉店してしまうのは残念ですが、「まつ本」さんに
がんばってもらうしかないなあ。
大阪からは少し遠いですが是非探して出掛けてみてください。
夜のおまかせコースがお奨めです。

「嘉瑞」さんも来年3月には世田谷区上野毛にオープンしますから東京へお出かけの際は是非どうぞ!


あらためてオープン告知はいたします。







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