2009年8月30日日曜日

光と影


建築家は日々空を見上げ光の強さや優しさを研究しているだろうか?
建築家が作る影のカタチは偶然の産物ではなく、あくまでも完璧に計算し尽くしたものだろうか?

スペインの建築家アルベルト・カンポ・バエザは「光」を建築の重要な構成要素として
作品作りをしているが、光を研究し、光と対話することにより建築が崇高な生命を
宿すと語っている。

下の写真はバエザではなく、ポルトガルの建築家アルヴァロ・シザ・ヴィエイラが設計した
「セラルべシュ現代美術館」のエントランス付近の写真(時期は8月下旬)だが、
刻々と変化する影がなんとも美しい。空気と光が透明なポルトガルという国の立地性と
彼の建築作品が彫刻的というのはあるかもしれないが、この場所は幾つかの用途を持った
建物が折り重なるように配置されているので、このような表情が出来るのかもしれない。
しかし、これもシザの想定内のことであるとしたら、僕達の建築はなんの努力もしてないように
見えてしまうほど、まだまだ底が浅いということを実感させられる。
  


 
これは同じ美術館のギャラリーに通ずる入口の写真だが、
白い壁、緑の芝生、そこに鋭角に刻まれる建物のシルエット。
思わず陽の動きに見とれてしまった。

ローマのパンテオンの壁面を照らす陽の光のように崇高で感動的だ。




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