2009年8月24日月曜日

目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)



先週末、所用で東京の目黒区役所を訪れたのだが、区役所は平成15年に
旧千代田生命本社ビルへ移転し、目黒総合庁舎としてオープンしている。
この建物日本の近代建築を語る上で重要な位置にある村野藤吾の作品。
素晴らしい村野作品を見るチャンスでもあり、帰阪するまでの時間
じっくりと見てみようと出掛けた。
総合受付で建物の写真を撮らせて欲しいとお願いしたのだが
さすがに多くの建築関係者が訪れるようで受付も慣れて いらっしゃる。
肖像権があるので市民が写らないよう配慮してくださいとの注意を受ける。
撮影ポイントまで教えてくださった。

この建物は文化財的な価値が尊重され移転に際しての改修においては
村野藤吾の意匠の重要な部分は当時の姿をとどめるよう配慮されている。
古い名建築がどんどん取り壊される中、この建物を総合庁舎として再生させた
目黒区の人たちは素晴らしいですね。本当に頭が下がります。

正面玄関のキャノピー。よく見ると細部までしっかりとデザインしてあります。

   
村野藤吾らしい外壁の柔らかなデザイン。茶室、和室もそのまま残してあり
市民に活用されています。

エントランスホール。左右違うデザインが施され列柱の足元は水盤になっている。
妙なお金をかけたそこらの役所の建物に比べなんと美しい空間だろうか!
衆議院選挙期日前投票の案内文字が床に貼られているのがなんとも笑えるが。。。

天井部分にはオーバル型の明り取りのが穿たれ、モザイクタイルでデザインされており
細部まで手を抜かない村野建築のデティールへのこだわりが伝わってくる。
白い天井にモザイクが貼られたドームが並ぶ。
一つ一つ異なるデザインになっており、彼の美に対する哲学というか執念というのか
圧倒されます。

  
吹き抜け部分の階段。どこから見ても美しいプロポーションです。
長い間見とれてしまって上がったり下ったり見上げたり。。。。
彼の建築は細部にいたるまでのきめ細やかなデザインや仕事ぶりが
なされており、それが村野藤吾の特色となっています。
階段の横が市民課だったりするのですが、
互いに邪魔にならないよう上手く配慮されています。
もしも東京へお出かけの際は是非一度足を運んでください。
東急東横線「中目黒駅」より5~6分くらいです。

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