祇園祭が始まるこの季節になると、京都の「和久傳」におもたせを
買い求めに行くのが毎年僕の恒例行事になっている。
蒸し暑い京都の夏、祇園囃子が聞こえてくる中、阪急烏丸駅から
堺町通りを10分程上ルと弁柄色の大暖簾が見えてくる。
ここが「室町和久傳」。本店は紫野(大徳寺)にあるが、さすがにそこまで出向くのは
しんどいのでいつもこの店を利用している。
今日は事務所スタッフのおやつ用に「西湖」を買った。この和菓子は蓮根から採取した
でんぷんと和三盆を材料にしたお菓子で、夏少し冷やして食べるととても美味しい。
洋菓子にはない優しい味がする。
京都は祇園祭の宵山で疫病の厄除けとして配られる粽(ちまき)が有名だが、
笹に包んだこの菓子も無病息災を願う気持ちが込められているという。
タイのセラドン焼きの皿に載せた西湖。 中身はこんな具合で、つるっと喉を通り過ぎる。
そしてほのかに和三盆の余韻が口の中に広がる。
堺町通りの由来は戦国時代に京の町が衰退していた頃、ここら辺りが京の町と田畑の
境界であったこととされている。
しかし現在は観光客でごった返す「イノダ珈琲」や「キンシ正宗」の看板が目を引く
イタリア料理屋、京都ではよく見かける町家をリノベーションした建物などが
あちらこちらに存在し、あまり静かな通りではなさそうだ。
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