2009年6月21日日曜日

ヘルシンキ中央駅

旅をする度感じるのですが、ヨーロッパの鉄道駅は
どこの国の駅舎も趣があり、美しい姿をしている。
空港も同様の事が言えるけれど、プラットホーム、
駅で働いている人、発着表示ボード、行きかう人々
売店、レストランなど、その国らしい空気を肌で感じ
ああ着いたんだなあと実感する何かがある。

日本の代表的な駅舎ではレンガ造りの旧東京駅ぐらいのもので、
現代建築の駅舎は別にして、他に印象に残る駅がとても少ない。
その東京駅もオランダ アムステルダム駅を参考にして
作ったといわれているし(本当によく似てますが、あちらの方が
さすが本家本元で重厚な佇まいです。)
隣国と地続きの国境で向き合っているヨーロッパは
物流や民族の往来が激しいせいか、
その国を最初に知ることになる駅舎は
国の威信を誇示する場所として重要だったのだろう。
ミラノ中央駅にしろ、ローマ テルミニ駅、パリ北駅、
サンラザール駅、リヨン駅など美しい駅はきりがない。

フィンランドの首都ヘルシンキにある「エリエル サーリネン」
設計のヘルシンキ中央駅。設計1904年 建設1910年~14年
フィンランド国民的ロマン主義の作品。
コンペ当選案のクラシカルなデザインを 若い建築家達がかなり批判したらしく、
サーリネンはそれを聞き入れ 現在のコンクリート造りの建物になったらしい。
のちに彼はアメリカへ移住し、クランブルック美術アカデミーの校長となる。
ここから息子のエーロサーリネンやイームズ夫妻(当時はまだ結婚していなかった)
などの優れたデザイナーや芸術家が生まれる。

アールヌーボーのデザインが随所に見られ、駅正面のガラス開口部から
こぼれれ落ちる光と影は温かく美しい。


ホールは左側がカフェになっています。右側は切符の発券売り場。
けっこうのんびりしてます。
     
天井部分や柱のデザインが時代を彷彿させます。でも行き届いた
維持管理してある様子がうかがえます。
プラットホーム。当初のサーリネンの設計にあったガラスのプラットホームが
2000年に現代風にアレンジされて復活した。

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