食べ物を粗末にしてると言われればそうかも知れません。
私が受け持つベーシックデザインという授業の1年生の最初の課題です。
飽食の時代、もっと無駄にしていることはたくさんあると思いますが、
イタリアで勉強していた頃、日本のように画材屋へ行けば
模型材料が何でも揃う国ではありませでした。
とにかく工夫して使わなければならなかった。
色々な素材を集めるのにスーパーマーケットは材料の宝庫だったんです。
そしてパスタは形も色も大きさもたくさんあったので使いやすかった。
「あらゆる素材は無限の可能性を秘めてる」という意識で使ってました。
で、何をしているのかといえば、与えられた内部空間(ガムテープ)を
自分の好きなパスタで包んでみるという課題です。
いわゆる立体構成みたいなものですが、選んだパスタの形、色を考えながら
一つずつ瞬間接着剤でガムテープを包んでいく授業です。
それぞれの学生の特徴が出ますし、真剣にやらないとすぐ壊れてしまいます。
集中力を高める訓練でもあり、学生一人ひとりの個性を発掘する課題です。
建築的には外部空間を形成する素材の研究みたいなニュアンスです。
色とりどりのシェルタイプのパスタ(コンキリエ) 赤はトマト、黄色はかぼちゃ、
グリーンはほうれん草、黒はイカ墨です。デザインセンスを要求される!
とても美しいと思いませんか? こちらは蝶の形のファルファッレ
ペンネを使ったブリッジ型。構成の方法が現代建築的で面白い
もちろん残ったパスタは学生達が持ち帰り、夕食に利用してもらいました。
残念ながら今年はカリキュラムの関係でこの課題は出来ませんが
機会があれば授業のどこかでやってみたいと思います。
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