2016年2月11日木曜日

ペニンシュラ ビバリーヒルズホテルの「愛」



長い間お施主様と打合せを続けて温めてきた「水辺の佇まい」。

やっと模型が作れるほど全体のプロポーションがまとまってきました。
まだまだ詳細を詰めていく時間や資料が必要ですが、
模型を作ることで、施主様もぼんやりとしか見えてなかった部分を
ご理解して頂けるようになりました。

ただ、施主も設計者もより一層よいものをと思う気持ちも強くなり
これからまたディスカッションが必要です。






























模型ではスケール感がわかりにくいですが、
最終的に二世帯住宅になるので、それなりの大きさです。
八角形の多重屋根がとても個性的ですが、
軒先の長さや重ね具合、天窓の切り取り方など
ディテールをこれから詳細に検討しなければなりません。

色々なお施主様と知り合い、設計依頼を頂いて
有難いことに私はみなさんに育てられてるんだなあと思います。
そして、それが私どもスタジオクランツォのカラーとなっています。
それは設計という業だけではなく、
私自身の生き方、ライフスタイルの流儀に
大きく影響を与えて頂いております。


昨年12月、長年お付き合いをしてくださっているクライアントご夫妻と
アメリカ西海岸を旅してきました。















ロサンゼルス、ビバリーヒルズのペニンシュラホテルに滞在して感じた事ですが
そこに宿泊されている方やスタッフも当然ですが、
ホテルを利用される方一人一人がこのホテルのステータスを
作り上げていることを身に染みて実感しました。
言葉ではうまく説明できませんが、このホテルに漂う空気感は
普通の高級ホテルとはまったく違います。
家族のような温かみ、また厳しさ、礼儀などが誰からも強制されることなく
自然に出来上がっているのです。















ロビーの椅子に腰を下ろしていると、自分の家のリビングで寛いでいるような
豊かな気持ちになります。
この場所にいる人々みんなが一つの家族のような慈愛を感じるのです。
ゲストもスタッフも何かとても幸せな気分にさせてくれる居心地のよい空間です。
それはこの場所にいるすべての人々が育ってきた家庭環境であり、
人を慈しむ心を育んできた結果なんだと思います。















プールサイドで昼食をとっていた時、かなり高齢の女性が
奥のガゼボから出て僕の横を通られようとしました。
その時、自分の孫に話しかけるように、見ず知らずの僕に声をかけられました。
僕には「お帰りなさい、旅は楽しかった?」と聞こえたような気がしました。
家族の一員のような距離感であったことは間違いありません。


話はスタジオクランツォに戻りますが、私もクライアントの方々と
家族に近い関係を作っていきたいと思います。

家族でなければわからないそれぞれの距離を大事にして
一つ一つのプロジェクトを施主共々納得のいくものとして完成させ、
私のアトリエは皆様の第二リビングとして寛ぎの場所にしたいと思います。

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