今から13年程前、神戸市東灘区の住宅「a-h」を設計するにあたり、
当時はまだ少なかったコンクリート住宅の外断熱工法を採用した。
その参考となる工事中の住宅が芦屋市旭が丘の見晴らしの良い高台に
あることを知り一人見学に出向いた。
芦屋霊園のそばにあるその工事中の建物から数軒先に今回地鎮祭を
迎えることとなった「眺めを楽しむ家」の旧家屋が佇んでいた事など
当時は知る由も無く、そこから見える眺望に圧倒された。
「a-h」が竣工して10年ほど経ったある日、インターネットコンペで
住まいを設計する建築家を募集された芦屋市の方がおられた。
コンペ募集内容から10年前に完成した「a-h」や当時設計中だった
「海に背を向ける家」の雰囲気を引継ぐものであったので
完成した「a-h」の写真を添付し募集内容に近い住宅を設計中として応募した。
最終設計監理候補者の一人として計画地を案内されて驚いた。
13年前、見学に来たお宅の数軒隣にその計画地があったのだ。
コンペ結果は。。
私達が選ばれその住まいの設計監理をさせていただくことになった。
その後紆余曲折を経て一ヶ月ほど前から旧建物を解体していた。この度新しい住宅の着工準備が整い 地鎮祭を迎える事となった。現在京都市左京区で旧家屋を解体中の「新しい京都時間の佇まい」のnさんと「眺めを楽しむ家」のtさんとは偶然にも知合いで、全く別ルートで同じ時期に私が設計をすることになったのだが、これも何かの縁なのでしょう。色々な出会いやタイミングが重なり合い絡み合った糸をそっとほぐし慎重に伸ばしていくと長い1本の糸となって繋がっていく。それは運命としか言いようがない気がします。
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