2011年1月11日火曜日

npo瑞浪芸術館





織部製陶(株)瑞浪工場に隣接してnpo瑞浪芸術館がある。
冬季休館中でしたが、ご好意により見せていただきました。

この建物、当初古民家をそのまま解体移築し、ギャラリーとしてオープンする予定だったそうだが、
建築家の中村好文氏がそのまま移築するのでは面白くないということで、氏による少し現代的なテイストを
加えてオープンしたそうです。
入口ゲートは私の好きなコールテン鋼を使ってあります。

古民家ということで構造体、かやぶきの屋根はそのまま使っているそうですが、
中村さんらしい窓廻りのデザインが白壁によくマッチし、どことなく温かな佇まいです。

この木製窓の素朴さが何とも言えず美しい。
内部は小規模なギャラリーになっていて、床には枕木が敷き詰めてありました。
先程の木製窓を内側から開けるとこんな感じです。
額縁がわりの塗り壁の丸みが優しいですね。


建物が完成してから一度も屋根の萱を葺き替えてないそうで、萱がちょっと傷んでました。
もうボチボチ葺き替えしないといけないけれど予算が。。。と嘆いてらっしゃいました。
萱、結構いい値段しますからね!私の友人も京都美山の茅葺古民家に住んでいます。
10年に一度葺き替えをするのですが、屋根の半分を交互に替えてなんとか凌いでいます。
そのためにずっと茅葺貯金をしてます。

写真手前の土壁は地蜂の生態を研究するために新しく設営されたそうですが、なんでこんなに土って
気持ちを和らげ心を豊かにしてくれるのでしょうか。
最近、設計する建築の中で土という素材を色々な形で使う機会が増えてますが、手ごわい相手ですが
なかなか面白いと感じています。
凛とした空気の中、存在感のある建物でした。

大阪へ帰ってきて、夜は20年近く通う居酒屋「味匠 なにわ」で学生達との新年会。
彼らの将来は前途厳しいものがありますが、なんとかへこたれないで建築と
向き合っていて欲しいと思う長い夜でした。








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