2015年9月22日火曜日

建築と料理



気ばかり焦る私を見かねてか、
長いお付き合いのお施主様がシルバーウイークに
気分転換のために食事に誘って下さいました。




















このところ、ゆっくりと食事する時間もなかったので
久しぶりにゆったりとした時間を過ごしながら、
色々な勉強をさせて頂きました。

3次元の空間を作る職人として、
異なる業種の職人仕事を見る機会は
とても新鮮です。
料理人は特に私たち建築デザインを
職業にしている者にとって、
美意識を高めてくれる素晴らしい先生であり、
ある意味強力なライバルです。

食材とその調理方法、盛り付け方などは
建築における、敷地、工法、空間の作り方とよく似ています。





























器と食材の妙味は時にハッとさせられることがあります。
また、和と洋の組み合わせ方は意外性も生み出し
奥行きというべきか、深い余韻となって立ち現れたりします。
まさに、建築における和と洋を如何に組み合わせて
新しい存在感や価値観を生み出すか。

料理人さん達をじっと見つめていると、
手や舌が覚えた感覚だけで、
日々の料理を作っておられるのではなく、
毎日の精進を絶やさないように、
あらゆることに興味を抱き、
チャレンジされていることを垣間見ることがあります。
また物事をよくご存じで、その知性の豊かさに
驚くことがあります。












































年齢が私の半分ほどしかないこの料理人の方は
とてもセンスがよいのでしょう。
日本の伝統やしきたりの中に
色彩感覚やバランス感覚、洒落など
独自の感性をお持ちのようでした。















負けてはおられません、まだまだこれからが勝負。
よいエネルギーを頂きました。
お施主様に感謝です。

明日からまた必死に頑張りましょう!












2015年9月9日水曜日

LINEA PARALLELA 撮影



中々ブログが書けず、前回から1か月も過ぎてしまいました。
誠に申し訳ありません。
後ろから何かが追いかけてくるように、いつも急かされています。
重要なメンバーが急に一人欠けるだけでこの有り様です。情けない。。。
サポートしてくれるメンバーを時間を割いてでも探さないといけません。

そんな中、先週末敦賀の「LINEA PARALLELA」では竣工写真の撮影でした。
まだすべてを撮り終えてはいませんし、今回ご紹介する写真もまだ最終的に
承認をしているわけではありません。
この建物は平屋で全体が少し大きいため僕のコンデジでは
全貌はなかなか表現できません。
なので、プロのカメラで捉えたアングルを少し紹介したいと思います。














東側外観です。玄関廻りは曲線で仕上げてあります。













建物正面です。エアコン屋外機の目隠しに低木を植えていたのですが
根付く前に枯れてしまいましたので、近々植え替えをします。
コンセプトであるリボンテープをカットしたデザインが左側に見えます。














中庭側から見た居室部分。中央に奥様が選ばれたシンボルツリーの
5m程のメープルレインボウが見えます。
広い中庭は時間をかけて天然芝を植える予定です。
あちこちにテープカットの痕跡が見えます。
これは外部から建物内を見えにくくするための役割にもなってます。







































デッキの中央には流れる水の水盤を作ってあります。
水は井戸水を利用してまいす。














芝生が揃ったら素敵な中庭になると思います。




















カーブした玄関ホール。敢えてシューズクロゼットの一部を透明ガラスにしました。
その先のトイレの扉も含め全て、シンボルツリーが玄関から見えるように
一直線に建具を配置してあります。トイレのドアはルーバーにして
中は見えないように工夫してあります。





















































広いリビングダイニングキッチン。奥にはプレイルームが見えます。
全部で36畳ほどあります。シャンデリアがインテリアに似合って
とても美しいですね。

まだまだ撮影出来てない部分もあるので、
もう一度天気の良い日を狙って撮影が必要です。

2015年8月8日土曜日

自然と共に住まう




忙しさを言い訳になかなかブログを書くことが出来ませんでした。

スタッフの一人が春から体調不良で、長期休養していることもあり
二人分の仕事をしていることもあります。

スタッフの補充も視野に入れながら、考えているうちに
あれよあれよと時間は過ぎて行きます。

先日、2年近く伺っていなかった、岡山県瀬戸内市の
「櫻山居」をお訪ねしました。
定期的なメンテナンスの打合せをすることが目的でした。

「櫻山居」は牛窓のオリーブ園のすぐそばにあります。
廻りを木立に囲まれた敷地です。
当初の計画からだんだんと木立に埋もれていくことを
設計の主題として考えていましたが、
久しぶりに伺ってみると、狙い通り自然と和合しながら
建物はその存在感を薄れさせているようでした。















隣接して古墳があるのですが、
そちらとの対比も何か違和感が無くなってきました。




















焼杉も版築も表面が風化し、よい味になってきました。
これからますます楽しみになってきました。




















やはり、自然と共に生活があるのはいいですね!

数日前は、京都府亀岡市の郊外で
新しいお住まいを計画されている若いご夫婦の敷地を
調査に行ってきました。

こちらも穏やかな風景が広がる、里山近くの土地です。
この場所でパティシエである奥様は
プロとしてケーキ作りに専念したいのだそうです。















近くには西国三十三か所巡り、
二十一番札所の「穴太寺 あなおうじ」があり、
とても歴史を感じさせる素敵なところでした。






























こちらも時間を作ってじっくりと境内を散策したいと思います。

お盆休みの間にプランをまとめないといけません。。。。









2015年7月10日金曜日

トスカーナの風



イタリア トスカーナから友人が爽やかな
イタリアの夏の風と共にアトリエに遊びに来た。

彼女自身はビジネスで来日していたのだが、
時間を作って会いに来てくれた。
知り合ってもう20年ほどになるが、
本当に色々とお世話になってます。

トスカーナ、フィレンツェ近郊のエンポリから
もう少し南のシエナ方面に下った丘陵地帯の
昔農家だった建物を改修して、
ご主人とお子さんとで暮らしている。

庭からは谷の向こうに男爵家のカステロ(城)が見え
周囲にはブドウ畑やオリーブ畑が広がっている。
こんな場所に地元の人達が週末食べにやってくる
美味しいリストランテが点在している。




























可愛らしいオレンジピンクの彼女の住まいと
手前はご主人の弟さんご夫妻の住まい

そんな彼女はイタリアの食や食材、街で話題になっていることなどを
誰もが知っている日本のメジャーな雑誌に寄稿している。

今年初め「PEN」という雑誌がイタリア特集を組んだ時も
数ページにわたって彼女の記事が掲載されていた。

アトリエに来た昨日、同じトスカーナ出身のCGクリエーター
「マッシモ チアーニ」にも来て貰いました。

「PEN」に掲載された彼女の記事を紹介すると
目を輝かせていた。
彼も食や食材にとても興味がある。
食べること大好き人間なのだが、
その雑誌に掲載されている、シエナ近くのオリーブオイルの作り手が
彼もよく知っている人で、そのオリーブオイルが最高の品質なんだそうです。





























ということでその夜は彼女のリクエストで和食を食べることにした。
3週間ほど前、上海のクライアントをお連れした店なのだが
ご夫婦で切り盛りする小さなお店の居心地がよいので
またリクエストしてしまった。











































イタリア語が飛び交うとても愉しい食事会になったのだが
たまたま、その店に知り合いのフレンチレストランの
オーナーシェフも食事に来られていたので、
お店の亭主も含め、色々な食談義になってしまった。。

フィレンツェが京都と姉妹都市である関係もあり、
京都から料理人の方のお客様も多いらしく、
色々とお手伝いをされているようです。

料理も気に入ったようで、二人とも満足して貰ったようです。
あっという間に4時間が過ぎ、お開きになってしまったが、
またフィレンツェを訪れ、トスカーナの田舎をじっくりと
楽しみたいと思う。
今度は「マッシモ」のふるさとオルチャ渓谷に足を延してみたい。



2015年7月4日土曜日

育つ環境



昨日は打合せのため「Linea Parallela」へ伺ってました。
お住まい自体は完成しており、現在は外構工事の最中です。
あらかた今月中には完成する予定にしております。

ゆったりとした敷地に平屋の建物が配置されています。
建物南側に広い芝生の庭を作るのですが、
それはご家族で楽しみながら作って行かれる予定です。















まだ、工事中ですがリビング南側にせせらぎのような長い水盤を
デッキの中に挟み込んであります。
その水源となる井戸を敷地内の端に掘りました。

井戸水が水盤の端部から流れだし、
途中に水たまりを作りながら、流れていきます。
その風景はリビング・ダイニングから見ることが出来ます。

流れ出す水はゆらゆらと、時には早く、またゆったりと
ガラスモザイクが貼られた水盤内を移動します。
太陽の光が水盤に当たれば、揺らめきは室内の天井に
不思議な光の模様を描き出すはずです。















とても贅沢な空間かも知れません。
しかし、小さなお子様達には、
豊かな感性と身体を作り育てる場ではないかと考えています。
大都会の中ではなかなか出来ない事ですが、
この場所であればそれが可能でしたので提案しました。

子供たちは走り回ることで、
知らぬ間に体をバランスよく作り上げていくようです。
僕らの小さい頃はあちこちに「原っぱ」という場所があり、
そこを走り回ることで、体を作っていったように思います。
近くには海もあり、松林の向こうに砂浜が広がっています。
素晴らし環境だと思います。
廻りに人工的な光源が少ないので、
夜になれば空いっぱいに星空が輝くそうで、
家族みんなでデッキに寝転んで空を見上げるのだとか。。。




















そんな環境があることが一番の贅沢ですよね。
僕も小学生の頃、祖父の家で父親と一緒に夜空を見上げ
色々な話をしたことを覚えています。
その時、人工衛星ではない、
不思議な軌道を描く物体を見つけたことがあります。
今でもそれは「未確認飛行物体」だと信じてますが。。。。


2015年6月27日土曜日

生命を作る



今朝、アトリエへ向かう道沿いにある、デイケアセンターの出入口傍に
茄子の鉢植えが置いてあり、小さな紫色の花を咲かせていた。

鉢植えであること、太陽光の日の強さもあるのだろうか、
何故か弱々しく見えた。

昨日、あるお客様の敷地を見に、郊外の田畑が点在する場所へ伺った。
そこには、少量ではあるけれど茄子や胡瓜、
トウモロコシなどが自家消費用に栽培されていた。
家族が美味しく食べられるように、丹精込めて栽培されているのであろう、
その野菜の花弁はこれから実を付けるために精一杯美しく輝く色をしていた。
鑑賞用ではないこの野菜たちの生命力溢れる葉脈や花弁、
受粉を誘う雄蕊、雌蕊の魅力的な色合いなど
生きた野菜達に感動してしまった。
有機栽培のようで、葉のあちこちに虫食いも穴が開いている。


























































茄子の枝や葉脈がこれほど深い紫色をして
艶々しているのは最近あまり見たことがない。
胡瓜だって蔓や小さな実のイガイガが生き生きしている。
きっと野菜本来の味がして美味しいに決まっている。

幼い頃、住まいの小さな菜園には色々な野菜が植えられていた。
母は兼業農家の出身で、女学生の頃、米や野菜の世話をしていたので
菜園で野菜を作ることは日常生活の一部であり、
大事な食糧の一つだったのだろう。

僕は、お腹が空くと庭の野菜を収穫してもらい、裏の井戸水で少し冷やした。
胡瓜は表皮のイガイガがちょっと痛かったが、
ヘタを切り、実と白い泡がでるまで擦り合わせた。
それから包丁で荒く剥いて、手に塩をこすりつけ、両手て胡瓜を揉んだ。
それをガブリとかじれば、青臭い胡瓜の匂いとちょっと甘い味がした。
実も大きく曲がった、芯の種の部分もたくさんある、
今どきのスマートな胡瓜とは違うが、何とも言えない夏の匂いがした。
冷やしたトマトは砂糖を付け丸ごとかじった。
ヘタに近い部分のトマト特有の青臭さは、今でも脳裏にしっかりと記憶されているが、
あんな陽の光の味がするトマトは何処へ行ったのだろう。

大きな茄子は炭で焼いて、水に浸け「熱い熱い!」と言いながら皮を剥かされた。
醤油に砂糖とみりん、煎り胡麻を荒く潰したタレが茄子の上にかけられ
ささやかな食卓を飾った。

農家であった祖父の家に行くと傍に、近所の人が作った野菜を販売する店があり、
10円玉を握りしめて駆け込む。黄色いマクワ瓜を買うためだ。
丸ごと一つをかじる。芯にある連なった種を片手で取り除きながら、
それほど甘くはない白い身の部分に食らいつく。
どちらかと言えば甘い野菜というものだろうか。

 (インターネットの写真より)

青々とした水田の畦道に腰を下ろし、心地よい風に吹かれながら
黄色の瓜を食べることが最高の幸せだと思っていた。

幼い頃、素性のはっきりした食物を食べる機会が
今の子供たちより多かったかも知れない。
素材の持つ本当の味を都会の子供よりたくさん経験したかも知れない。
駄菓子屋で何が原料かわからないお菓子はあまり食べなかった。

それは今の健康な身体を作る基礎材料になったのだと思う。

命をつなぐ太陽の光を存分に浴びた食物を、
たくさん食べられたことにとても感謝しています。



2015年6月24日水曜日

友 遠方より来る。。。



仕事の話の中だけで、相手の事を知ろうと思っても、
分かり合えるはずがない。

ましてや外国の方で言葉が通じ合えるわけでもなく、
通訳の方を通して話しているのだから、
どこまで核心に近づいているのかわからない。

そんな時は思い切って、
美味しい食事と杯を重ねるのが一番の近道だと思う。















美味しい食事は互いの緊張感を和らげ、
美酒は口元を滑らかにする。
見たことのない食材に目を輝かせ、
日本の繊細な味覚を存分に楽しんで頂く。
亭主や女将の細やかな気配りが、
自然に互いの距離を近づける。

テンションが上がれば、
会話の中に互いの本音も垣間見える。
「山口さんと知り合えて本当に嬉しいけれど、
この店に連れてきてくれたことが一番嬉しい。。。。」
それが一番の褒め言葉だと思った。















すごい勢いで平らげた鯛めし。
鯛の頭と鳥取産の有機米を一緒に土鍋で炊き込む。
炊きあがってから、鯛を取り出し
丁寧に骨とアラを取り去って、身をもう一度土鍋に戻し
檸檬をギュッとしぼって、少し蒸らしたものを
よそおって貰った。手間のかかる地味な作業だ。
雑味が抜け、鯛のうま味がお米の甘みと絡み合う。
緊張感が解れた「M」さんと僕との関係のようだ。
(ちょっと言い過ぎかな)

趣味は食べることや食材の探求、そして旅行。
その国のマーケットを覗きに行くのが一番好き。
そりゃあ僕も一緒。
市場の中の生き生きとした庶民の姿を見ることが
その国に来たことを実感させてくれる。
二人でノリノリの旅が出来そうだ。

何故か昨夜は日本酒を飲んでても
変な酔い方はしなかった。

料理に合った間違いのないお酒を出してくれたのでしょう!

「肥後橋 やま本」の亭主と女将に感謝します。
良心的な価格で、目利きされた本当に良い食材で
感動する料理を作ってくれます。

皆さん、本当の日本料理を食べてみたくなったら是非どうぞ。

肥後橋 やま本

大阪市西区江戸堀1丁目18-20
電話 06-6147-8227
お休みは不定休です。















最後にお店の前でパチリ。
若草色の暖簾が目印です。