2010年4月22日木曜日

ライセンス


自宅の引き出しを捜しまくり、やっと探し物が出てきた。

スキューバダイビングのライセンスです。

10年ほど前、沖縄の慶良間諸島で取得したものです。
実はそれ以来ダイブには一度も行っていない。

沖縄の海はとても美しく、特に慶良間、八重山の海は本当にすばらしい。
その海に潜りたくてライセンスを取得したのだが、友人関係でダイビングする
仲間がいなくて行きそびれてしまった。

その後、東南アジアなど南の島へ行く機会は数多くあったのだが、
ダイビングショップの知らない人たちとダイブするのが苦手だったことや
設計の仕事が忙しくなり、そんな中で僕一人遊びに行くのもなんだか気がひけて
そのうちライセンス自体持っていることも忘れていた。

沖縄の海はダイブしなくとも見てるだけで充分楽しめるし、
どちらかと言えば船上で見るターコイズブルーの海の美しさの方が
個人的には好きなんだと思う。

昨夜、沖縄がたまらなく好きだという知人と食事をしていて
ふとライセンスの事を思い出して、家中探しまくったわけですが。

彼はシュノーケリングはするが、ダイブはしないという。
なぜなら、魚が全部獲物に見えてしまい
目に見えるものをすべて捕獲してしまいたくなるらしい。
だからシュノーケリングで充分だと。

うーん、またダイビングが遠くなりそうだ。







2010年4月18日日曜日

自然の中の住い


二日程前、地鎮祭が行われる敷地を訪れた。

あいにくの小雨ではあったものの、傘が必要な程でもなかった。
全国的に寒い日で空気は凛として冷たく、地鎮祭には身の引き締まる好日だった。

夏の暑い日や冬枯れの時期に敷地を見に来たことはあったものの
春の息吹を感じる季節にこの場所を訪れれてみて、そのフィールドの良さに本当に驚き、
つくづく自然の中に建つ家なのだなとあらためて思った。

幹線道路から分岐し、ソメイヨシノとヤマツツジの小さな並木を抜けると計画地が現れる。
地元の工務店さんが用意してくれてた駐車スペースに車を止め外へ出てみると、
あちらこちらからウグイスの鳴き声がサラウンドのように聞こえてくる。
まだ鳴き方が上手くない若いウグイスもいるが、澄んだ美しい声を響かせるものもいる。
いったいどれくらいのウグイスが木立の中にいるのだろうか?

その合間に凛とした空気を震わせるように大声でキジが鳴く。
斜面をゆったりと歩くその姿も見える。
敷地に立つと幾種類もの鳥達が美声を響かせながら新緑の木々を渡っていく。

懐かしい、どこかで見たことのある風景だなあと考えてみたら、
バリ島ウブド村近郊の、アユン川沿いのコテージテラスから、朝方谷あいを眺めていると
川から山へ鳥達がさえずりながら移動していく、天国のような風景と同じものだった。

傾斜地の上手にはヤマザクラが群生している。  敷地にもあるヤマザクラ。
この土地の守り神みたいな樹木だ。地元の人によれば毎年ソメイヨシノが先に咲き
ヤマザクラはその後に咲くそうだが、今年はそれが逆転したそうで花はもう散ったらしい。

敷地の南側には40~50m先まで荒地が広がるのだが、その土地の持ち主の方と
お話をさせていただき、雑草やブッシュを撤去する承認を得た。
雑木林が広がる南端あたりに止まり木と餌場、水飲み場を作ってあげたら
どれだけの鳥達が訪れるのだろう?

2階のテラスに双眼鏡設置したら、凄いバードウォッチングが出来ますねえと
ちょっと羨ましげに施主さんに言葉をかけた。
この道の先には数件しか建物がないので、道を行きかう人はほとんどいない。
建物からも他の人家は見えない。
住宅設計も自然を楽しむ、自然と共に暮らす家を目指して計画した。

この土地に建物が馴染み、自然の中に埋もれていったらいいなあと思う一日であった。

2010年4月17日土曜日

版築


版築(はんちく)という言葉をご存知だろうか?

版築は土壁や建築の基礎部分を堅固に構築するために
古代から用いられてきた工法である。版築自体はほぼ土のみでできているが、
築造時には若干の木材を要する。

版築という語は、版築という工法自体を指す場合と、版築で作った壁等の
構造物を指す場合とがある。

中国では古代における長城など大規模な工事での使用例も多いが、
日本では主に家屋の壁や城郭の土塁などの建設に用いられることが多い。
日本ではすでに廃れた方法だが、中国では西域などで安価かつ技術的に
容易であり、粒子の細かい黄土が版築に適していると言う点から、
現代でも多く用いられている。

また版築は日干し煉瓦などと同様広く見られる手法であり、西洋でも
民家や教会などに版築が見られ、現代建築においても外壁などに用いられる。
(出典 WIKIPEDIAより)


版築の例。  法隆寺の築地塀も版築で作られている。(WIKIPEDIAより)

で、何を言いたいのかといいますと、現在牛窓で進めている「Kさんの家」の
薪暖炉の後壁をこの版築で仕上ませんか?とKさんにお願いしているのです。
版築は土を10cmほど木枠に入れ強く突き固め、順番に上部へ積み上げていく
技法で固まると、雨でも崩れない程強固になるそうだ。

日本では吉野ヶ里遺跡など古墳などにも多く使われていたらしく、
丁度「Kさん家」の敷地の隣は「牛窓47号古墳」があり、おそらく基礎固めに
この版築が使われたのではないかと推測している。

最近日本でも版築が自然由来の工法であることや、材料である土が持つ
適度な調湿、調温機能からその有効性が見直されて研究もされている。

そこで敷地の土を使い、版築で外壁の一部を作りませんかと提案しているのです。
Kさんご一家は版築に非常に関心を持たれていて、予算的になんとかなれば
やってみたいと言われている。
またお母様から「貝灰」を家の材料に使えないかと要望があったこともあり、
土に混ぜる材料の一部に敷地内の小石や藁スサ、貝灰も使えたらと考えている。

これは京都天竜寺の築地塀です。古瓦を挟みながら仕上ている。
Kさん家の玄関土間南側にある薪暖炉の後壁「版築」(CG制作 スタジオクランツォ)
ガラススリット越しに瀬戸内の風景が見える。高さ2mほどを版築で施工してみたい。
岡山には本格的な版築が出来る左官屋さんが5人ほどいらっしゃるそうで
是非チャレンジしてみたいと思っています。







2010年4月12日月曜日

西洋毛鉤釣師(実践編)


週末は住宅を計画されるお客様の打合せがあるので、なかなか休みが取れなかったが、
やっと土曜日時間が取れたので、前回お話していた毛鉤の釣れ具合を実践するため
滋賀県にある某渓流へ出掛けた。
願掛けもあって、若い人たちに人気のSUPERFLY (FLYは毛鉤という意味だし)の曲聞きながら。
まあ道が混んでて到着に3時間もかかってしまい、目的地に着いたのは午後2時前。
普通の釣り人はこんな遅い時間には来ないんですけど、仕方が無い。

毎年、春先にこの川へ来て調子を整えるのだが、昨年は結局1回来ただけで
その年は終わってしまった。
だから釣りをするのは1年振りです。そんなんでホンマにうまいこと釣れるかいな?
大丈夫です。ベテランですから。。。

車のボンネットに釣り道具を乗せて写したら、ブルーの車に浮かぶ雲がとてもきれいだった。
毛鉤は先日作ったものです。そしてこれから釣り上がる渓流の様子。滋賀の里川です。
堰堤があったり、川の深みを渡ったり、土手を必死で上がったりいい運動になります。

最初の1時間半まったく釣れず相当焦りました。こんなはずじゃあ。。。
土手の上から近所のおじさんが「釣れんじゃろ」って声掛けてきた。
えっ、魚いないの?縁起でもない。「兄ちゃん毎年来てるやろ」ハイ来てます。
漁協のおじさんでした。川で魚釣りをする時は入漁券(入川券)というのが要ります。
1日2000円です。買わないで釣りをすると罰金を取られます。
券を買ったかどうか調べに来たようです。


おじさんと話しながら毛鉤を投げ入れると、水面を割って魚が飛びついてきた。
釣れんじゃろと言ったおじさんの目の前でニジマスがヒット!でも小さい。
ニジっ子と呼んでます。とりあえず作った毛鉤で釣れました。
少し川を上がったところでまたヒット!今度はアマゴ。とてもきれいです。
体の部分に朱色の小さな斑点があります。でも小さい、小さい。




日も傾き始めもうだめかなと思ってた頃、けっこういいサイズのアマゴがヒット!
尾びれが赤味を帯びてきれいです。しっかりと口に毛鉤がフッキングしてます。
体の黒っぽい楕円形の斑点はパーマークといって、鮭、鱒族の魚の特徴です。
食べてもとても美味しいですが、私はすべて針を外して逃がします。
それがフライフィッシングというスポーツの特徴みたいなものです。


魚たちには痛点というものがないらしく、針に掛かっても痛みはないそうです。
ですからけっこうジッとしてます。写真を撮って直ぐに川へ戻してあげました。

久しぶりに自然の中、桜が咲く土手を見ながらのどかな1日を過ごさせていただき、
仕事を忘れ思う存分リフレッシュさせていただきました。
スタッフの皆さんわがまま言って申し訳ありませんでした。


翌日の日曜日、設計打合せで狭山のお客様のところへ出掛けたのだが
筋肉痛で節々が痛み、ぎこちない動作を繰り返していたようですが。。。




2010年4月9日金曜日

感謝(レストラン エテルニテ)


私どもが設計した集合住宅にテナントとして入居されている
フレンチレストランのオーナーシェフ夫妻が、
数日前事務所を訪ねてこられた。

1年半ほど前にシェフから店内ディスプレイなど相談受けて、
その制作等お手伝いをさせていただいた。
制作したオブジェが常連のお客様に評判が良かったそうで
とても感謝していただいた。

昨年の秋、お店は「ミシュランの星」を獲得され、
益々予約の取りにくいレストランになった。

真面目で、謙虚なシェフご夫妻は私達ととても距離が近いような気がする。
夫妻の優しく暖かな雰囲気がお店に表れていると思うのだが、
今回のお話はオープンする時、やり残した部分の
「インテリアデザイン」を考えてもらえないかという事だった。

何度か食事に行かせていただく中で、私自身も感じるところがあり
喜んで計画を引き受けさせていただくことにしました。

小さな仕事でも「最善」を尽くしてクライアントに感謝していただくこと、
それは当たり間のことだけど、オブジェ制作を担当したFさんの直向さが
シェフの信頼を得て、よい作品になったのではないかと思います。
そして今回のご依頼につながったのではないでしょうか。

Fさんは退社して新しい職場に変りましたが、一層精進していると思います。
機会があればこの事を伝えてあげたいと思います。


2010年4月6日火曜日

西洋毛鉤釣師


古い映画で恐縮だが、監督ロバート・レッドフォード、主演ブラッド・ピットで
「リバー・ランズ・スルー・イット」(A River Runs Through It)という映画が
1992年上映されたことを覚えている方がいらっしゃるだろうか?
第65回アカデミー賞で撮影賞を受賞した作品なのだが。

合衆国モンタナ州の雄大な自然とフライフィッシングの美しい描写が印象に
残る作品で主演のブラッド・ピットは若手俳優の地位を確立した作品でもある。
日本でフライフィッシングというマイナーなスポーツフィッシングがやっと
若い女性を中心に日の目を見たという映画でもあります。

で、タイトルの西洋毛鉤釣師ですが、このフライという毛鉤(疑似餌)を使い
山奥の渓流で鱒科の魚を釣る人のことなのですが、実は私このフライフィッシング歴
30年という大ベテランなのです。
もともと金沢に住んでいた頃、覚えた趣味なのですがこれだけは飽きずにやってます。

デザイナーやカメラマンなど業界人の趣味の人結構います。
CMなどで釣りのシーンが出てくるものはたいていこの釣りが好きな人がボスのはずです。
昔、建築家でこの釣りが大好きな人がいて自分で釣具メーカーを作った人がいました。

釣りしてる時って本当に頭から雑念を抜き去ることが出来るんですよ。
それで充分ストレス解消になるし、マイナスイオンやフィトンチッドがいっぱい。
健康的です。

基本的にフライフッシャーは疑似餌を自分で作ります。
下の写真がその道具の一部なのですが、疑似餌は鶏の胸の部分の羽を使い
蜻蛉(かげろう)などの幼虫や成虫を模して作ります。

本当は釣りに行く川の水生昆虫を調べ、その虫(蜻蛉など)に近い毛鉤を作るのですが
最近は色々パターンを作るのが面倒くさいし、30年この釣りをしてきたので、
日本の川は1種類の毛鉤があれば充分釣れる!?という「ぐうたらな」持論を言い訳に
同じもの4~5個作って(それ以上は正直作る気力がもうない)水の綺麗な 滋賀、福井、
金沢辺りの渓流へ出掛けます。


これがタイイングキットと呼ばれる毛鉤を作る道具と材料(マテリアル)です。
本当はもっと種類があるのですが、ベテランはこれで充分なのです!?。


毛鉤に使う針とニワトリの胸の羽。針は長さが1センチ程度。鶏羽は大きい方が
虫のシッポに小さい方は羽の代わりに使います。作り方は辛気臭いので
書きませんが、地道な作業です。



出来上がった毛鉤、蜻蛉の成虫を模して作ってます。100円玉と比べてみてください。
葉っぱの上に置いてある毛鉤なんとなく虫ぽく見えませんかね?
これで渓流のイワナ、ヤマメ、アマゴ、ニジマスを釣ります。
最近は週末に仕事がきちんと完了しないものだから、なかなか行けません。
山へ行くと色々な動物と遭遇します。狐、狸、鹿、猿、カモシカなど。。
熊には会いたくないですが、彼らの生活域に僕らが入り込んでるので
出来るだけ刺激しないようにしています。


シーズン(日本の河川は魚を保護するため、だいたい3月から9月までしか
釣りはしてはいけないことになってます。)が始まりましたので、
近々どこか渓流へ出掛け、この毛鉤で魚が釣れるところをご覧にいれる予定です。

乞うご期待!





2010年4月2日金曜日

膾炙 こじろう


昨年、住之江区に一軒の和食店を若手スタッフが中心になってデザインしました。

  
          膾炙(かいしゃ) こじろう という和食店です。

この前美味しいフルーツポンチゼリーをいただいた
N社長の幼馴染のSさんのお店です。

「Sオーナー」お店の告知が遅くなってごめんなさい。

オーナーは改装するまでこの場所で「芙蓉」という居酒屋を経営されていましたが
お店も長年改装しないままで営業してきたので、使いづらいところも出てきて
改装することになったのです。

このお店の周辺はあまり洗練されたお店がなくて(周辺にお住いの方ごめんなさい)
どちらかといえばお父さん世代が利用しやすい居酒屋さんが多いところです。

オーナーのSさんは新しい店をオープンする時は20~30代の男女や
家族連れにも来ていただき、美味しいものをお腹一杯食べてもらいたいと
考えられていたようです。

ちょっと洗練されたお店にしたくて、N社長とご相談に来られました。
予算も厳しかったのでスタッフも手伝いに行ったりして
本当に手作りの仕事になりましたが、いい思い出になりました。

 

お店の名前の前についている「膾炙」の膾はなます、炙は炙り肉の意味で、
味がよく多くの人に喜ばれるところから、世間の人々の評判になって知れ渡ると
いう意味だそうです。
客席の仕切りに使ってあるのは手漉き和紙、嵐のような雨の中、
東京の御徒町までずぶ濡れになりながら私が買い求めに行きました。
本当に美味しい料理屋さんです。お魚が美味しいくてコストパフォーマンスも
すごくいいですし、ちょっと和食を食べたくなった時にお奨めのお店です。


膾炙 こじろう
大阪市住之江区新北島1-4-13
℡ 06-6682-3875
営業時間 ランチタイム 
       11:00~13:30
       ディナータイム
       17:00~23:00
定休日 不定休