2010年2月8日月曜日

3冊の写真集

amazonに注文していたセバスチャン・サルガドの写真集がやっと届いた。
事務所のライヴラリーには何冊かの写真集があるが、その中でも
すごく気に入ってる本が下の3冊。



見えにくいが一番下は1930年代の変り行くニューヨークを撮影した
女流写真家べレニス・アボットの本。
その上が「ケーススタディハウス」を中心に撮影した建築写真家
ジュリアス・シャルマンの本。
そして1980年代のアフリカ・サハラ砂漠の南「サヘル」の飢饉を撮影した
ブラジルの写真家セバスチャン・サルガドの本


左からアボット、シャルマン、サルガドです。

アボットはパリで写真家「マン・レイ」のアシスタントになり写真を学び
ニューヨークに戻り、高層ビルが立ち並び古い町並が壊されていく
都市の変化に驚愕し、街の写真を撮り続けること決意します。

私が持っているこの本はそのニューヨークの風景や、パリ時代のポートレート、
アメリカの地方の写真をダイジェストにしたものですが、当時のニューヨークの様子
リアルに伝わってきます。


ジュリアス・シャルマンはケーススタディハウスをたくさん撮影しています。
どこかで見たことのあるような建築写真がちりばめられています。
ロス郊外の住宅地で友人たちとイームズやノイトラの建物を探しまくったことを思い出します。

そしてセバスチャン・サルガド。昨年秋、東京で「アフリカ」と題する写真展が
開かれていたようですが、残念ながら行くチャンスを逃してしまいました。
NHKの新日曜美術館で特集も組んでました。
  
彼の写真は本当に怖いです。そこにありのままの真実があり、それを
至近距離で撮影しています。偶然のシャッターチャンスではなく、
何ヶ月も難民と共に生活をし、家族のような距離を作って初めて可能になる
ショットだと思います。ショッキングな写真の連続で、でもそこから目を背けることが
出来ない写真なのです。彼の写真は見るだけで震え、涙が溢れます。





2010年2月5日金曜日

鮨 生粋



学生達の卒業制作と設計依頼の相談が重なり
このところ一休みする間もない日々を送っていたのだが
友人から久しぶりに「鮨」を食べに行かないかと誘われた。

「鮨」という言葉に思わず「行きます。行きます」と反応してしまう情けない私。

昨年末、赤酢のシャリで有名な老松町の名店「嘉瑞」が東京進出のため
店を閉められて、大阪で美味しい赤酢のシャリで握る鮨がもう食べられないと
諦めておりました。

それを人伝てに聞いたのか、赤酢のシャリを出す店が摂津本山にあるので
一度食べに行ってみないかということで話がまとまり、日曜日の夜、
期待を膨らませながら出掛けました。


お店は摂津本山の駅から2号線の方へ10分ほど歩いた住宅街の中にあり
ちょっとわかりにくいかも知れません。この看板が外に出てるだけです。

鮨はアラカルトとコースがあって、きっちりお値段も書いてあり
とても良心的です。ご主人と奥様を中心にサービスの女性が
数人いらっしゃるようで小さな店構えの割りにお店の人が多いということは
人気がありお客さんが多い証拠。
当日も私達が入店してまもなく満席になってしまいました。

江戸前鮨のネタはほとんどがなんらかの「仕事」を施してあります。
特に赤酢はシャリが主張するので、捌いて切り身を酢飯の上に乗せるだけでは
魚本来の味が負けてしまいます。
そこで酢で〆る、煮る、寝かして熟成させるなど、「仕事」をしなくてはならないわけです。

能書きはどうでもよいのですが、穴子が3種類の調理方法で出てきたのが印象的でした。
煮穴子は口の中に入れたら噛む間もなく溶けてしまいました。

赤酢のシャリは出来ればもう少し温かいほうがいいかなという印象でした。
ご主人は大阪鮓の出身だそうですが、何故江戸前鮨を握られるようになったのか
あまりの忙しさに聞き忘れてしまいました。

ご主人またお伺いします。その時はゆっくりとお話聞かせてください。



2010年1月21日木曜日

東京カテドラル聖マリア大聖堂


東京事務所のお客様への年始挨拶もまだ済ませてなく、
またサンフランシスコに住む友人H君が何年かぶりに
帰国するというので日、月曜日と東京へ出掛けた。

H君との待ち合わせまで少し時間があったので、何度訪れても感動を覚える
東京カテドラル聖マリア大聖堂を見学しようと思い立った。

というのもこの日、東京は天気がとても良くて空気が澄みわたり
青空の下、 銀色に輝く外壁はさぞかし美しいであろうと想像していたのだが
まさに凛とした佇まいは陽が傾きかけた冬の午後、少しオレンジ色に輝き
限りなく崇高で美しく、心の中まで洗われていくような気持ちであった。

    

     
重量感を感じさせないシャープなイメージの外観からは想像し難い礼拝堂の内部。
すべてを構成するコンクリートの圧倒的な質感とスケール感は心の中までズンズンと
入り込んできて「建築家丹下健三」の偉大さを嫌というほど思い知らされる。

以前訪れた時は祭壇の奥から流れてくる賛美歌に思わず目頭が熱くなったのだが
今回は凛とした空気の中、一人ひざまずきひたすら祈りを捧げる若い女性の頬に光るものが
見えたとき、ここは祈りの場であることを実感し早々に立ち去ることにした。


教会内部の様子は教会のオフィシャルサイトでバーチャル見学出来ます。
www.tokyo.catholic.jp/katedoraru.html









2010年1月16日土曜日

大阪駅がえらいことになってる!




いつも事務所への通勤は地下鉄御堂筋線で、

梅田駅から地下街を堂島まで歩くので

めったに地上を歩いて通うことはない。

それは冬は寒いし、夏は暑いから。

その点、地下街はある程度温度が

コントロールされているので歩きやすい。

風が舞うビルの谷間を歩いたり、

夏の日差しを避けながら歩くのも楽ではないからだ。

ずいぶん軟弱で年寄りくさい言い訳だけど。







昨晩、久しぶりに地上階にある本屋に立ち寄ったこともあり

大阪駅前を歩いてみた。

阪神百貨店から、阪急百貨店へ行く歩道橋を

なんだか数年ぶりに歩いたような気がするのだが、

驚いたことに大阪駅が東京みたいな凄いスケールで工事してる!




     


  

   

場所柄、24時間体制で工事をしているのだと思うけど

とてもエネルギッシュで勢いを感じます。

といっても大阪で活発に動いてるのはこの梅田周辺だけだものなあ。





写真では立体感が出ないので感じないかも知れませんが

現地はすごいパースペクティブです。

それがとても東京ぽいと言うべきなのかも。


    


阪神百貨店前の藤棚から見る工事中の阪急百貨店。

以前はここがバス停だったと記憶してるけど。。。



「村野藤吾」作の梅田給排気塔はまったく古さを感じさせませんね。

バックは建築中の「ドミニク ペロー」デザインの富国生命ビル。





数十年前、学生時代就職試験を受けるため東京から初めて大阪に来たのだが、

その当時梅田駅前は第一ビルが出来たばかりで、他は小さな商店、

飲み屋が密集していて凄いカルチャーショックを受けた事を思い出します。



すごい街になってきましたね梅田は





正面に見えるヒルトンプラザウエストやハービスエントのすぐ奥に

芝生の庭付きの僕の事務所があるなんて信じられない!






2010年1月11日月曜日

ジュリエッタ


西宮でのオペラ公演が終わったあと、近くでどこか軽く食事できないかと
思案していたのだが、同行した友人が以前、奈良の東吉野村で(自産自消)のスローフードを
自ら実践されていたイタリア料理店「ロアジ」のオーナーシェフ永松信一さんが
1年半ほど前西宮北口に「オステリア ジュリア」を出店されたことを思い出した。

最近ちょっとしたイタリアン的おつまみなどを肴に、立ち飲みする「ジュリエッタ」という
2軒目の店を出されたらしいとのことだったので調べてみると、ありました!
西宮北口の北改札を抜け、若い人たち向けの居酒屋通りを過ぎる頃
ガラス張りのちょっとミラノの街角にあるような雰囲気の違う店が。
食材などが窓際にディプレイされ独特の存在感を醸し出しています。

  

中へ入ってみると年配のグループの方がいい雰囲気でワインを楽しんでいたり、
奥の方ではイタリア人らしき人たちがもういい感じに酔ってます。

気軽に目の前の皿にあるものを注文したり、シェフと話しながらイタリアワインを
堪能したりとなんだかイタリアのバールにいる気分になります。
地元の人たちには重宝するいいお店ではないでしょうか。
コールドケースには調理したテイクアウトできる料理が並んでおり
昼食や夕食に買って帰ることもでるそうです。

お奨めのお店です。




  

カルメン


先週、上方オペラ工房に所属する知り合いのオペラ歌手、
Mさんがオペラ「カルメン」のドンホセ役で出演することに なっていたので
西宮北口にある兵庫県立芸術文化センター KOBELCO」ホールへ行ってきた。

今回の公演は50年ほど前、戦後の現代美術を代表する
具体美術協会(すでに解散)の創立メンバーであった嶋本昭三さんと
その新しい仲間達が率いる「AU」と正統派オペラとのコラボレーションだそうだ。

嶋本さんは「パフォーマンス」で有名な方だが、今回の舞台で何が
飛び出すのか興味津々であった。
公演中の撮影もOKだったので少しだけ撮らせていただいた。

  
   まった歌劇カルメンらしくないパンフレットと開演前の様子。
客席にもユニークなファッションの方がいらしたりして面白かった。

近隣の幼稚園児たちも出演(!?)することになっていたので
なんとなくオペラの公演風景とは少し違うかも!

舞台では普通にカルメンが進行する中、後方では「AU」の方達が
まったく関係のない演技をしたり、電気自動車で走り回ったり
キャラクターの被り物をして勝手に動き回る。

逆上したドン・ホセがカルメンを刺し殺すフィナーレでは
舞台で座して動かない嶋本さんが頭上に伸びたロープを
引くと凄い数のピンポン玉が落ちてきて観客の度肝を抜いた。
まさに「パフォーマンス」の嶋本さんの真骨頂だ!
なかなか面白かった。

普段目にすることのないオペラでそれなりに楽しめた。


中央の青い服の方が嶋本さん。上方オペラ工房に嶋本さんのご子息が所属されており
この公演が実現したのだそうだ。

Mさん今度はオーソドックスなオペラも見たいです。。。





2010年1月6日水曜日

迎春


新年明けましておめでとうございます

本年もスタジオ クランツォ、またブログの方も宜しくお願いいたします。

昨年11月頃より、誠に有難いことなのですが、設計プラン作成の依頼がいくつも重なり、
ブログ更新がままならぬ状態が続いてしまいました。
ブログをご覧いただいていらっしゃる方には大変申し訳ありませんでした。
なんとかそのピークも過ぎて少しづつブログも再開できそうです。

私がどっぷり浸かっている設計業界も、厳しい状況が続いていることは昨年同様ですが
世の中の流れをしっかりと見極め、より一層良いデザインに精進していきたいと思っておりますので
ご指導ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

平成22年 新春

スタジオクランツォ1級建築士事務所 山口是彦