2015年1月6日火曜日

幼い哲学者



ある年のお正月、僕はバリ島の東側にある「マンギス」という村の
ホテルに宿泊していました。
「マンギス」はマンゴスチンというトロピカルフルーツのインドネシア語だが
この村がマンゴスチンの原産地の1つで、そこからこの名前がついたそうだ。

小さな村だが、目の前には海が広がる美しい場所です。

元旦の朝、日の出を撮影しようとして海岸の砂浜を歩いていた。
近くでは村の子供達10人ほどが地引網をしていた。

ただその中で一番小さな男の子は手伝うことも出来ず
砂浜を歩く僕をじっと見ていた。

近寄りその子の顔立ちを見て、カメラに収められずにはいられなかった。
朝陽を横顔に浴びたその顔はとてもヨチヨチ歩きの男の子には見えなかった。

なんと哲学的な顔をしてるんだろう!
整った顔立ちで大きな目でじっと僕を見ている。

こんな幼い子見たことがない。
こちらが吸い込まれてしまいそうな聡明な目をしていた。
何か偉い僧侶の生まれ変わりのような風貌。

幾ばくかの小銭を子供達を指揮していた村人に支払い
ドキドキしながらシャッターを切った。
彼は何事もなかったようにいつまでもこちらを見ていた。

地引網には結局小魚しか入っておらず、子供達は村へ帰ろうとしていた。
一人の少年がこの哲学者に近づき、ひょいと両手で抱きかかえた。
その瞬間、僕は我にかえった。
抱きかかえられて帰っていくその子の、あまりに小さな体躯に驚いてしまった。


あの子は今どうしているのだろう。
どれほどの少年になったのだろうか。
会いに行きたい。。。
新年を迎える度に「マンギス村」のこの幼い哲学者を思い出す。


注 マウントしたスライドフィルムをデジカメで接写してます。







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